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http //yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1254535905/ 俺「SOGAの麻雀ゲーイベントの咲カップで優勝してしまった」 俺「なんか...優勝したはいいが貰えたのは"称号"というデータカード内でしか意味のないモノ...」 俺「はあ、時間と資金を費やした割りに見返りが少ないなあ」 俺「……」チラ 女子高生「キャッキャッ」 俺「何年もゲーセンに通っているから彼女も出来ず、ましてや就職にも着けていない...」 男「咲カップ優勝者の○○様ですね」 俺「?はあ、どちら様ですか?」 男「いやいやSOGAの咲カップ優勝商品の副賞を届けるのが遅れてしまいました」 俺「副賞?なにかくれるんですか?」 男「では、お楽しみになってください。それと注意事項が一つ、向こうで寿命以外の理由で死んでしまっ...」 俺「ん?はあはいはいなんですかその夢物がたr」ギュイイイイイイインッッッ 俺「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ???『大丈夫?京ちゃん』 京太郎「うっ...」 ???『急に倒れてどうしようかと思っちゃったけど...どう?頭痛くない?』 京太郎「は...?」 京太郎「ここは...」 咲『七久保駅...だけど、本当に大丈夫?京ちゃん』 京太郎「長野?なんで俺が長野に...ていうか」チラ 咲「京ちゃんもしかして記憶喪s」 京太郎「うおぉぉぉぉおぉぉぉ!!!」 咲「!」ビクッ 京太郎「咲!超咲!魔王様!!!!!」 咲「京ちゃん、やっぱり...」グス 京太郎「はあはぁ」 咲「具合...大丈夫?」 京太郎(なるほど俺の目の前に咲がいていつの間にか長野県にいた) 京太郎(それがあの男が言っていた副賞ってやつでじゃあその副賞はどこまでが副賞なんだ?咲と会うだけか?) 京太郎(それとも一定時間咲の世界を体験出来るだけいやしかし寿命云々言っていたわけだからそれに) 咲「京ちゃん!」 京太郎「っ!あ、ああ。大丈夫だよ咲。俺は至って正常だよ」ニコ 京太郎「……で、俺は京太郎なわけだな?」 咲「当たり前だよ...本当に平気なの?」 京太郎「平気平気!……で、時期はいつ?一話?県予選前?それともアニメ最終回後?もちろん合宿のとこな」 咲「いち...?京ちゃん、今は県予選の団体戦後だけど...やっぱりどこか変だよぅ」 京太郎「咲!」 咲「?」 京太郎「好きだ!」 咲「!」ボッ 京太郎「よしまずは清澄高校だな、じゃあ咲!先に戻ってるから!」 咲「う、うんばいばい」テレ 【清澄高校】 京太郎「来た...来てしまった」 京太郎「土地勘が無いから交番で場所を聞いたけど、考えたら自分の通ってる高校の場所がわからないとか白恥もいいとこ」 京太郎「まずは...というか真っ先に行くべきは麻雀部!」 京太郎「のどっちに部長...タコスとワカメはまあどうでもいい」 京太郎「いざっ麻雀b」 ???「どっせぇーい!」 ドガーン!! 京太郎「痛ぁ!つぅかいきなり人の背中を蹴る人物なんて作中に一人しかいねえ!!!」 京太郎「くぉらタコス!」 優希「おはようだじぇー京太郎!」 京太郎「この野郎悪びれもせず...いや、これは明らかにリア充。京太郎、不憫だがやっぱ明らかに勝ち組だなお前」 優希「よーっし!部室までひとっとびだじぇー!」 京太郎「ちょっ肩に乗るな肩に!」 京太郎「あぁ首の圧迫感が最高だじぇ...」 優希「んー?どうした京太郎?」 京太郎「太ももの肉感が気持ちいいって言ってるんだ」 優希「なっ!...そうか!ようやくワタシの魅力に気付いたのか京太郎!」 京太郎「はいっ!太ももがやーかいですっ!」 優希「うーんなんか調子が狂うじぇー」 京太郎「ようやく部室に着いたな...」ゼェ 優希「これくらいでへたるなんてだらしない男だな京太郎!」 京太郎「うるせえよ...」 優希「うー、太ももが京太郎の手汗でベトベトだじぇ」 京太郎「ハァ、うるせえから、すこし黙って...」ゼェハァ 優希「よーし、皆おはようだじぇー!」 バンッ ???「こら優希、部室に入る時は静かにって言ってるでしょ」 優希「うっ...次からは気をつけるじぇ...」 ???「まったく、ソレを聞くのも何回目かしら」 京太郎「おぉ...」 久「アラ、おはよう須賀くん」 京太郎「うぉぉぉぉぉぉ!」バッ 京太郎「俺の女になれ!」キュイイイイン 久「んー?」 京太郎「ハッ」 京太郎「くそっアニメを間違えてしまった!」 京太郎「おはよざーっす部長!」 部長「おはよう今日も元気ね」 京太郎(時間制限があるならもたもたしてられんな) 京太郎「フラグの立て方を普段から確認してれば良かった...」 咲「おはようございます」 久「おはよう咲、じゃあ面子も揃ったみたいだし早速始めましょうか」ニコ 【結果】 久+12 優+7 咲+6 京-25 京太郎「俺は全国優勝者だぞ...」 久「負けてるのに終盤ベタオリってどういうことかしら」 京太郎(安パイだと思っても部長がアガるし、前半タコス強ぇし勝てねえ...) 咲「でも、京ちゃん強くなりましたよね」 京太郎「そうか?」 優希「少し驚いたくらいだじぇ」 久「まあ、いつもより考えれていたわね」 京太郎「ありがとうございます!須賀京太郎一生の幸せもんです!!!」 京太郎「いやー誉められるって嬉しいもんだな」ニコニコ 久「それじゃあ約束通り買い出しお願いね」ニコ 京太郎「負けたら買い出しでしたね...」 久「そうそう、買い出しついでに龍門渕に寄ってほしいの」 京太郎「どうしてですか」 久「個人戦後に他校が集まって合宿をしようって話になってね」 京太郎「合宿すか」 京太郎(たしかアニメでは龍門渕から一人も個人戦入賞者が出なかったんだよな) 京太郎(まあ知らねえやどうせ俺もいけねえし適当に済ませるか) 【ショッピングモール】 京太郎「買い出し買い出し...って、なんで普通に京太郎やってるんだ」 京太郎「元の世界には未練ないが、もし戻れるなら色々やって戻りたいし、そもそも戻れないならちょっとした恐怖じゃないだろうか」 京太郎「戻れないなら一生、須賀京太郎として生きるわけなんだから大人しく楽しんだ方が間違いはないし」ブツブツ ドンッ 京太郎「痛っ」 ???「すまない、話に集中してしまい不注意だった」 京太郎「いや...てかこの人一人じゃねえか、一体誰と話...」 京太郎「あっ」 京太郎「おいおい加治木ユミさんじゃないっすかー!」 加治木「なんだ、どこかで会っ...いや、なに?そうだ初対面だ。...本当に知らないんだ誤解しないでほしい」 京太郎「おいおい独り言ってレベルじゃねえぞ...」 京太郎(ここは離れるが吉、だな) 京太郎「それじゃあ僕はこの辺で」ペコ 加治木「ん?ああそれじゃあ...だから違うと言ってi」 京太郎「やべえガチだアレ」 ――……10分後 京太郎「桃ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 京太郎「オワタ...」 京太郎「なにが"離れるが吉、だな"だよ俺のアホ!」 京太郎「しかしステルスをこの身で体感出来たんだ、それだけで十分じゃないか」 京太郎「俺の咲ラン上位に会えただけでもOKとしようよ」 京太郎「落ち込んだ勢いで縞パンスクミズ白ニーソも買ったけどあいつら着てくれるかな」 京太郎「それは置いておくとして次は龍門渕か...痩せキャラはそんなに好きじゃないんだが顔見せくらいしておこうかな」 【龍門渕高校】 京太郎「でかい...」 京太郎「土曜だってのに結構生徒がいるなあ」 京太郎「龍門渕もウチみたいに部活で集まってくれてると良いんだが」 京太郎「しかしいきなり他校の生徒が入れるのだろうか、清澄の制服を着てるし...」 京太郎「変に怪しまれないよう龍門渕のメンバーが通るのを待つか」キョロキョロ 警備員『えー校門付近不審者発見』 透華「……で、どうして私が警備室に?」 警備員「この男が"龍門渕透華の知り合いである"と申したためお呼びした次第です」 透華「はぁ...」チラ 京太郎「 」ニコッ 透華「知りませんわ、警察にでも付き出しておやりなさい」 京太郎「ちょっ!待ってくれ透華!」 警備員「おい動くな!」 京太郎「俺は原村和から伝言を預かって来てるんだ!」 透華「原村和から?」ピク 京太郎「そうだ。伝言を伝えに来た俺にこんな仕打ちひでえよ!!!」 透華「……警備員、その男を離しなさい」 透華「いいでしょう、話は麻雀部部室で聞きますわ」 透華「なるほど、原村和が"私と"是非合宿を行いたいと」 京太郎「その通りです」 透華「分かりましたわ、合宿の件お引き受けしますと伝えてくださいまし」 京太郎「はいっ!」 透華「……」 京太郎「……」 透華「……いつまでいらっしゃるおつもり?」 京太郎「いやー...もう少しお話がしたいなぁと」 透華「もう貴方と話す事なんてありませんでしてよ」 京太郎「そう言わず...」 純「良いじゃねえか、丁度ハジメ達がいなくて暇なんだ」 透華「……私、少し席を外させてもらいますわ」 バタン 京太郎(実際龍門渕透華は咲ランでも下位のキャラ、帰っても問題はない) ガチャ 一「あれ、透華は?」 純「ああ、ついさっき出ていった」 一「ふーん...そこの人は?」 純「変質者」 京太郎「おいおいノッポさんお願いしますよ」 純「なにがだよ」 一「透華が帰ってこないと卓も囲めないし...」 純「ハジメ、そこの兄さんがお話をしたいんだとさ」 一「はあ...なにをお話します?」 京太郎「そうだなあじゃあ鹿児島の神代について」 一「鹿児島の神代ですか...」 京太郎「全国にいった時の参考にしたいんで」 一「なるほど、さすがマネージャーさん熱心ですね」 京太郎「いや一応選手なんだけど」 一「神代は...字一色をアガります。それも一局に何度もね」 京太郎「ふむふむ」 一「――…とまあこれくらいかな」 京太郎「なるほど参考になりました!」 京太郎(戻ったら暴露で神扱いだなwww) 一「じゃあ京太郎さんは麻雀を始めて間もないんですね」 京太郎「そうなんですよ...」 純「なに仲良くなってんだよ」 京太郎(あぁ女の子と話すのがこんなに楽しいなんて) 京太郎(でもこいつ百合属性持ちだよな) 京太郎(なに話しても楽しそうに聞いてくれるし) 京太郎(だけどフラグ立たないとか) 一「それでですね」 京太郎「もういいや」 一「?」 京太郎「チェンジで」 智紀(チェンジとかwwwwwバロスwwwww) 智紀「おはよう」 一「あっともきーおはよう」 純「うっす」 京太郎(眼鏡属性の無い俺がワカメの次に下位なキャラキター) 京太郎「はじめまして『変質者』です」 純「ハッハッハ」ゲラゲラ 京太郎(なにくだらないことしてんだよ) 智紀(リア充乙) 純「おっ面子揃ったんじゃないか」 一「そうみたいだね」 智紀「それじゃあはじめる」 京太郎「俺も入ってるんですね」 京太郎(ともきー想像通り大人しくてワロタ) 智紀(こいつら強えんだよwww初心者っぽいやついるし俺負け試合確定ワロチwwwwwもはや消化試合の様相wwwwww) 【結果】 純+22 一+ 6 智- 8 京-20 純「弱えなマネージャー」 京太郎「マネージャーじゃねえよ」 一「京太郎さんやっぱりマネージャーなんじゃ」 京太郎「ほっとけ」 智紀(この弱さww横浜乙wwww) 京太郎「もう帰るわ」ガタ 純「もうそんな時間か」 京太郎「楽しかったわ衣によろしくな」 純「じゃあアド交換しようぜホラ赤外線でちゃっちゃとな」 京太郎「……」 純「ちゃんと三人の入れといたから暇な時にでもメール寄越せ」 一「じゃあ、またね」 智紀「……また」 智紀(リア充の行動力パネェww) 京太郎「ああ、またな」ガチャ 京太郎「……」ジーン 京太郎「あ、涙出てきた...」 京太郎「いやー彼女いたためしも無いし、イジメ受けてたくらいの俺がこんな楽しい暮らしをおくれるとは」 京太郎「……なんか死にたくなってきたな」 京太郎「……」ブンブン 京太郎「いよーっし!頑張るぜ俺は!!!目標は女の子と...どうしよう」 京太郎「セクースはチョモランマレベルで高レベルすぎるし」 京太郎「中学生から女の子と話してないからよくわかんねーや!」 京太郎「この町にはイジメっ子もいないしいいトコだなあ」 京太郎「……俺って本当駄目な人生だったな...」 京太郎「なんで咲の世界にいるのにこんな辛い事思いだしてるんだろ」 京太郎「ダメなやつはなにやってもダメなんだよ」 男「お目覚めになられましたか?」 俺「ハッ?」 男「記録は...半年と2週間でしたね」 俺「俺は...」 男「死因は自殺です」 男「いや、中々頑張ったと思います。現にSEXまでいったじゃないですか」 男「機会があればまたお呼びいたしますよ」 男「ちなみに今までチャレンジした人数は貴方を含めて55人です」 男「ここまで進めたのは貴方だけですよ?貴方以外のチャレンジャーは20人は咲-saki-のキャラと関係ない人物と結婚をし、寿命を全う」 男「他の33人は貴方同様自殺です」 男「ですが先ほども申した通り咲-saki-のキャラとSEXまでいったのは貴方だけです」 男「貧乳は嫌いだと申されていたはずですが...フフフ」 男「自殺の理由はs」 俺「SEXSEXうるせえんだよ!!!!!!」 男「……では、またSOGAの咲-saki-カップへの参加お待ちしています...」 俺「そうか...やっぱり死んだのか俺は...」 俺「やっぱりダメなやつはなにやってもダ...いや、ロリひんぬー最高ぉぉぉぉぉ!!!」 俺「よし、第二回の開催に向けてMJをやりまくるぞ!」 男『S○GA、MJ咲-saki-カップ上位陣には副賞が与えられます。皆々様奮ってご参加お願いします。 10月3日現在、第二回開催の日取りは未発表』 了 ???「あいつ...死んだのかな」 ???「失踪してから2週間、ホームに飛び込むのを見たって人もいるけど死体は見つかってない」 ???「……」グス 加治木「おや...」 ???「……」 加治木「君も献花を?...そうか、まだ忘れるなんて無理な話だよな」 ???「放っておいて」 加治木「おや、いつもとは話し方が違うじゃないか。もっと明るいほうが」 スッ 桃『先輩』 加治木「桃」 桃「そうっとしておいた方が良いっすよ」 加治木「……では、私はこの辺で帰るよ。……こう言っては残酷かもしれないが――生きているといいな」 ???「……ぁりが、とぅ」グスッ アイツは今、どこにいるんだろう。天国にいるのだろうか――生きているのだろうか。 俺「……」ジャラジャラ 俺「ゲーセンも飽きてきたなぁ」 俺「……クリアしてないせいかわからないが、向こうの世界の事をよく覚えていない」 俺「咲カップも今は開催してないし...どうやって戻ろうか」 男『こんにちわ』ヌッ 俺「ひっ!」 俺「ってお前...貴方は」 男「突然すみません、こっちで貴方に再びチャンスを与える話が上がっていまして」 俺「ま...本当か!?」 男「ぬか喜びにならないように、決まってから報告に来ようと思ってましたが」 俺「で、……いつ行けるんですか?」 男「早ければ明日です」 俺「そうか...そうか」 男「早い方が良いんですよ」 男「貴方がいた世界は、貴方が戻ってきた時点でリアルタイムで時間が進んでいます」 俺「ということは...」 男「まあ向こうでは2週間立っているという事です。相手の子も心変わりして他の男性と付き合っているかもしれませんね」 俺「そんな」 俺「待てよ」 俺「俺はどの子と仲良くなったんだ」 俺「この前の話を聞くにひんぬーキャラである事は推測できるんだが」 男「時間もありませんしその話は」 俺「早くても明日なんだろう!教えてくれよ!今咲ラントップは衣たんなんだが?」 男「……ひどい男ですよ貴方は」 俺「oh...違うのか?おい違うのか??」 男「……」 俺「遠くを見るなぁぁぁぁぁぁ」 男「冗談はこの辺にして、私も忙しい身なので失礼させてもらいます」サッ 俺「速っ...リアルハギヨシかよ」 客A『おいなんか咲-saki-の世界に行ったとかいうやつが来てるみたいだぜ!』 客B『はいはい結局関係ない他のキャラと結婚したってやつなww』 俺「……」 ピザ『だからよーマジで無理ゲーwww』 客A「そんなに無理なのか?」 ピザ「いや存在自体は京ちゃん(笑)なんだけど相手は普通の女の子なわけだからもう無理でしたww」 ピザ「俺がまともに話せるわけないしwww少し触っただけで変態扱いだしwwww」 客B「でも80の大往生だったんだろ?」 ピザ「話によると上位者は大体行けたらしいから他のやつらに聞けww」 ピザ「まあこれも聞いた話だけど俺を含めて26人が挑戦して咲-saki-のキャラを落としたやつゼロwwwwwはい無理ゲー」 ピザ「しかも向こうで自殺するやつもいたって話だしww」 ピザ「はじめにキャプテンの胸触って変態扱い→総スカンとかヒドスwwwww」 客A「向こうの奥さんとの記憶はあるんだ?」 ピザ「寿命エンドはクリアだから一応覚えてるが、咲-saki-キャラとのトゥルーエンドの場合は行ったり来たり出来るようになるってよ」 客B「早く第二回開催しろよSOGAw」 俺「あの野郎、俺にはなにも話してねえんじゃねえか」 【当日】 俺「で、結局あれから2週間で結果1ヶ月離れた件について」 男「まあ、これでも十分早くした方なので」 俺「そうか...」 俺「で、向こうに戻ったら記憶も元に?」 男「今のまま、記憶は戻りません」 俺「じゃあ他のキャラを好きになったら」 男「それはそれで特に問題のある事とも思えませんし」 男「相手から言ってくるんじゃないでしょうか?」 俺「そうか、向こうから近寄ってきてくれるよな」 俺「お願いします...」 ギュイイイイイイイイイインッッッ 京太郎「うーん...」 ???『……』タラ 京太郎「ここは...」 ???『……だしっ』 京太郎「うわぁっお前は...」 池田「須賀だしっ!」 池田「コーチ...いやキャプテン呼んでくるしっ!」ダダッ 京太郎「コーチよりキャプテンが先とか...」 女子A「須賀くん!」 女子B「なんで須賀さんが!?」 京太郎「えっと...どちら様で?」 女子A B「!」 女子A B「まさか記憶喪失」 福路「京太郎さん!」 京太郎「美穂子ちゃ」 女子A「キャプテン!須賀くん記憶喪失で...」グス 京太郎「いやいや」 福路「そう...でも生きて戻ってくれて嬉しいわ」グス 池田「キャプテンが泣くからアタシまで...うえーん」 京太郎「ついていけねえ...」 【風越学園】 京太郎(まあ記憶もないわけだし...) 福路「よかった、本当によかった」 京太郎(今はこの状況よりも個人戦、果ては全国大会の結果が気になるんだ) 京太郎「あのー...福路さん?」 福路「本当に記憶を失ってしまわれたんですね」シク 池田「でも名前は覚えているみたいですよ」 ツンツン 京太郎「つつくな池田ァァァ!」 池田「ひっ」ビクッ 福路「京太郎さんっ」 京太郎「すみません...」 京太郎(一度でいいからやってみたかったんだよな"池田ァァァ!") 福路「ソレ、やめてくださいって言ったはずで...でも記憶を失くされたんですから怒っても京太郎に悪いですよね」シクシク 京太郎(俺、やっぱりやってたのかコレ...) ピーポーピーポー…… 京太郎「んっ?」 福路「救急車です。本当は発見した場所からも動かしてはいけなかったんですが」 京太郎(そうだよな、1ヶ月行方不明だったら心配もされるよな) 【病院・病室】 京太郎「とりあえず絶対安静、と」 バタンッ! 久「須賀くん!」 京太郎「部長...それに清澄の皆」 バッ 咲「京ちゃんっ!」 優希「京太郎!!!」 まこ「二人とも、嬉しいのはわかるか、相手は病人じゃけえ抱きつくのはよしぃ」 部長「お医者様の話だと健康そのものらしいけどね」 京太郎「皆...こんなに心配してくれてありがとう」 京太郎(はじめて会ったのにはじめてな気がしないなあ) 京太郎「……で、いきなりで悪いんですけど」 一同「?」 京太郎「俺の彼女って誰ですか?」 まこ「ぶっ」 久「フフフ、あーおかしいわ。さすが須賀くんね」 和「はじめての会話がそれですか」フフ 京太郎「あれー...どういう意味でしょうかその反応は」 優希「京太郎に彼女なんてありえないじぇ~」 咲「久しぶりなのに京ちゃんったら」 京太郎(この中にはいないのか...まあウケてるみたいだし今はこれでいいか) 京太郎「悪いないきなりこんな事聞いて」 入院生活は3日で終わったがその後も警察やらの事情聴取でしばらくはまともに家を出る事が出来なかった。 そして俺は家の中、自室のベッドの上で携帯とにらめっこをしていた。 京太郎「うーむ、番号リストを見るに大分他校の生徒とも繋がりがあったらしい」 京太郎「龍門渕メンバーのアドなんてどうやって手に入れたんだ俺...きっと何ヶ月もかかったに違いない」 京太郎「履歴は...おわっ」 京太郎「咲とタコスはわかるとして龍門渕のハジメにみはるん、文堂さんまで」 京太郎「おいおいどんだけだよ...」 京太郎「あれだな、なにが恐いって失踪前にやり取りしたメールが全部消されてるところだよな...」 京太郎「とりあえず明日から外を歩いて色々情報を入れていくか」 【ショッピングモール】 京太郎「なんとなくこっちから連絡もしづらいし、足で情報を確保するのは昔からの常識だろう」 ドンッ 京太郎「痛っ」 加治木「すまない、話に夢中‥お前は」 京太郎「おおー!加治木さんじゃないですか!」 加治木「清澄の須賀...そうか、もう出歩いて大丈夫だったんだな」 京太郎「いやーお騒がせしてすみません...そういえば加治木さんとはアドレス交換してませんでしたね」 加治木「あ、ああ」 京太郎「交換しましょうよ!」 加治木「……問題はないが...まて、他意はない。アドレスの交換くらい...それはお前の推測...」 京太郎「加治木さん?」 加治木「ちょっと待ってくれ...だからな、なんで須賀と会うとお前はいつも...」 京太郎(あぁ可哀想な人なんですね加治木先輩...) 京太郎「いやいいです、またの機会にでも」 加治木「そ...そうか」 京太郎「じゃあ僕はこれで」 加治木「またな京太郎」 ――…10病後 京太郎「おおっと桃桃ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 桃「!」ビクッ 京太郎「いやーなんかビビッときたよ今!」 桃「……っス」 京太郎「おぉまだ見えねぇ声は聞こえるのに!不思議!」 加治木「……なんだ桃、お前は名前で呼ばれるくらい仲が良いみたいじゃないか」 桃「ちがうっス先輩!この人とはなにも」 加治木「……なあ京太郎、記憶を無くしているみたいだから言っておくが君は私をユミと呼んでいたぞ」 京太郎「マジっすか!やるな俺」 ???『ワッハッハ珍しいやつがいるなー』 京太郎「ワハハさん!」 蒲原「おっなんだいつも通りじゃないかー」 加治木「いや、一応これでも記憶を無くしているらしい」 京太郎「ワハハさん!」 蒲原「ワッハッハなんだ京太郎」 京太郎「俺って誰かと付き合ってたりしました?」 蒲原「ブッ」 蒲原「ワッハッハ面白い事言うなーお前は」 京太郎「またその反応ですか...」 加治木「京太郎」 京太郎「はい?」 加治木「誰も名乗り出なかったのか?」 京太郎「彼女...ですか?いえ」 加治木「……」 桃「先輩?」 加治木「ふむ、蒲原。私達も早くカラオケに行こう」 蒲原「おいおい待てよユミちん~」 京太郎「?」 京太郎「今日は土曜だったな」 京太郎「……誰かに電話してみるか...」 京太郎「こうしてみると見事に女友達のアドレス数が男友達と同じくらいあるって考えると凄いな...」 京太郎「じゃあどうしようか...衣たんのアドレスがない以上...」 ピッ プルルルルルプルルルルル ピッ 一「は、はい国広です」 京太郎「ええ...と国広さん?」 一「……はい」 京太郎「あの...携帯に結構履歴が残っていたのでそれなりに交友があったのかと思って電話したんですけど」 一「……はい、間違っていません」 京太郎「よかった!」 一「あの、電話先で話すのもなんなのでお合いしませんか?」 京太郎「!はっはい」 京太郎「では...はい、11時に駅前の...はい」 京太郎「失礼しまーす」 ピッ 京太郎「完璧営業先相手のトークだったぞ今の会話」 京太郎「会って衣の番号を聞くか!」 プルルルルルプルルルルル 京太郎「おっ」 ピッ 京太郎「もしもし?」 京太郎「ああお前か」 京太郎「んっ?なにがだよ」 京太郎「はあ」 京太郎「11時から予定があるな」 京太郎「お前も来るか?」 京太郎「ええと龍門渕の国h」 ブツ 京太郎「あっ」 京太郎「切りやがった...」 京太郎「まあいいか今度あった時にでも謝るなりすれば」 京太郎「出掛ける服装は……まあ別に意識するような相手でもないし普通でいいだろ普通で」 京太郎「おはようっ」 一「ふふ、時間的にはこんにちわ、だね」 一「ねえ須賀くん」 京太郎「んっ?」 一「記憶ってどこから無くしてるの?」 京太郎「ええ...と、君とアドレスを交換した記憶は忘れているかな」 一「初めて会った日の事を忘れているのか...」 京太郎「初めて会ったその日にアド交換したのか?すげえな」 一「まあ純のおかげだったりするんだけどね」 一「じゃあ改めて、」コホン 一「はじめまして須賀くん」 京太郎「はじめまして」 一「アタシは京太郎って呼ぶし君もハジメって呼んでほしいな」 京太郎「わかったよ...ハジメ」 一「うんっ」 京太郎(百合キャラと仲良くなってもあまり意味ない気がするなぁ) 一「じゃあどこにいく?」 京太郎「そうだな...って、透華は一緒じゃなくていいのか?」 一「……透華がいた方がいい?」 京太郎「いや意外だなぁと思ってさ、ハジメって透華好きだろ?ガチで」 一「!」 京太郎(初めて会った時の記憶もないのにこれだけの事を言って大丈夫なのか) 京太郎「ハジメとは仲が良い友達だって思って聞くけど、男と女どっちが好き?」 一「う...ぁ」 京太郎「"どっちも"は困るな」 一「……オト...」 京太郎「いいや無理しなくても!」 一「京太郎...」 京太郎「俺達は親友だろ?友達がレズビアンだろうが関係ないぜ!」グッ ガッシャーンガラガラ... 京太郎「さあ遊びに行くか!」 京太郎「ん?おいハジメ!はやく来いよ!」ニコッ 一「なんでこの場面で過去最高の笑顔作れるかな...」 京太郎「カラオケでもボーリングでもどんときなさいだぜ!」 一「あー...うん、やっぱりいいな」 一「今いくよ!」 京太郎「来いよ親友!後で天江の番号教えてくれよな!」 ガッシャーンガラガラ... 京太郎「さっきからなにかが折れる音が聞こえるなあ...」 京太郎「いやー楽しかったー!」 一「もうこんな時間...」 京太郎「そうだな、少し名残惜しいな...どうだ?家に泊まっていくか!」 一「えっ?それって...」 京太郎「ダメか?」 一「……」ブンブン 京太郎「良いのか?」 一「……」コクッ 京太郎「いぃよっし!今日はスマブラ大会だー!!!」 京太郎「そうと決まれば人数集めないと...あーそうかお互い知り合いが良いよな!」 京太郎清澄鶴賀風越は俺に任せてくれっ龍門渕はそっちに任せた!」 一「……」ハァ 一「そんなに人数集めるなら京太郎の部屋じゃ少し狭いと思うよ、透華に頼んでウチでやろうよ」 京太郎「おぅ!よく気が利くな!じゃあそっちの手筈も頼んだぜ!」 京太郎「また後でな~」ダダッ 一「……ふー」 一「かわいいなまったく」 【鶴賀】 津山「合宿とは久しぶりですね」 妹尾「半年ぶりです~」 桃「どうしたっスか先輩?」 加治木「いや...麻雀ならOBとしても喜んで参加するのだが、些か私はゲームというものに疎くてな」 蒲原「ワハハーユミちんはゲームなんてやった事ないだろう」 加治木「いや...」 蒲原「んっ?もしかしてあるのかー」 加治木「そうだな...上からスライムが落ちてくるゲームなら」 桃「今日集まってやるのはなんのゲームでしたっけ」 妹尾「たしかスマブラという格闘ゲームです」 蒲原「どうだユミちん?」 加治木「……」フルフル 妹尾「ダメですかぁ~」 桃「辞退しますか?」 加治木「ダメだ、引き受ける」 桃「どうしてっすか?」 加治木「津山を見ろ...」 津山「~♪」ホワ~ 桃「部長のあんな浮かれた顔初めて見るっす」 蒲原「むっきー...」 加治木「鶴賀は参加だ」 【風越】 福路「ゲーム大会...」 池田「麻雀じゃあキャプテンに勝てないからって...これが清澄のやり方だしっ」 深堀「私は指をカチャカチャやるのは苦手で...」 池田「関取の太い指じゃAもBも同時押しだしっ」 文堂「あたしもちょっと...」 美春「あ、あたしも...」 池田「じゃあ風越は...」 福路「……ええ、今回はすみませんが辞退、ということで」 【龍門渕】 透華「ウチでゲーム大会ですって?」 一「うん...駄目かな?」 透華「皆さんの寝室の確保には困りません、しかしお泊まり会というのは初めてですし...」 純「なにが"お泊まり会"だよ、ガキかお前は~」 透華「透華以外は全員参加のつもり、後は透華の意志次第」 衣「ゲーム!ゲーム♪」 透華「皆していじわるですわ」 透華「……わかりました。龍門渕透華はこの提案お引き受けいたしましてよ」 一「透華!」パァ 一「ありがとう!」 ダキッ 透華「あ、当たり前でしてよこるくらい」アセ 純「照れてる照れてる」 智紀「当たり前でしてよこ"る"くらい」 透華「ともきー!」 【――清澄】 久「ゲーム大会...」 まこ「キューブのじゃな」 和「私はやった事ないのですが...」 久「大丈夫よ和。鶴賀の大将も初心者らしいし現地で覚えればいいじゃない」 和「はぁ...」 咲「あたしもよくわからないし一緒に覚えようよ原村さんっ」 和「――ッ!は、ハイ」ニコ 優希「全国の高校生...いや、日本には私の敵はいないっ!」 京太郎「お前ゲームならなんでも得意そうだなぁ」 優希「京太郎がスマブラやるっていう事は64か?」 京太郎「よくわかったなそうです64スマブラです」 まこ「スマブラはキューブかXじゃろう、のう久?」 久「いや、スマブラは――64よね!」ビシッ まこ「誰に向かって言っとるんじゃ...」 【龍門渕邸】 透華「えー皆様、今夜はようこそ我が龍門渕邸にいらっしゃいました」 加治木「明日は休日だからといって就寝時間をあまり遅らせないようにな」 久「じゃあっ皆4チームに別れたわね?」 桃「現部長には悪いっすが鶴賀の代表は加治木先輩っスね」 蒲原「ワッハッハ別に気にしてないみたいだぞー」 津山「黒ファルコン黒ファルコン...」 久「それじゃあっ第一回龍門渕邸スマブラ大会はじめるわよー!」 一同「おー!」 ~ライフ3~ Aブロック 1.優希2.純3.津山4.智紀 Bブロック 1.まこ2.妹尾3.蒲原4.久 Cブロック 1.一2.和3.透華4.桃 Dブロック 1.咲2.加治木3.衣4.京太郎 【Aブロック】 1.優希2.純3.津山4.智紀 優希【リンク】「負けても吠え面かくんじゃないじぇー!」 純【ファルコン白】「まあ龍門渕メンバーはやりまくってるからな、正直俺かともきだろ」 智紀【ドンキー】「勝つ」 智紀(ファルコン変態スーツ乙ww) 【結果】 1.津山【黒ファルコン―撃墜数8―】 Bブロック 1.まこ2.妹尾3.蒲原4.久 まこ【ネス】「県大会の借り、ここで晴らしちゃる」 妹尾【サムス】「練習はしましたけど...」 蒲原【フォックス】「こいつ強いと思ったのアタシだけかー」ワッハッハ 久【ピカチュウ】「うーん、まあなんとかなるでしょう」 【結果】 1.久【撃墜数―6―】 Cブロック 1.一2.和3.透華4.桃 一【青カービィ】(練習を見る限り透華以外は素人だな) 和【ファルコン】「理論じゃスピードがある方が有利です」 透華【黄ネス】「目立ってなんぼですわっ」 桃【ピンクカービィ】「はー使い安いのはこの子っす」 【結果】 1.透華「途中でカービィが消えましたわ...」【撃墜数―5―】 Dブロック 1.咲2.加治木3.衣4.京太郎 咲【プリン】「皆上手いなあ」 加治木【赤プリン】「このモンスターの目はやる目だ」 衣【ピカチュウ】「ころものピカチュウが最強だ!」 京太郎【青カービィ】「ピカチュウ以外は初心者のプリンか...先にピカチュウだな」 【結果】 京太郎【撃墜数―6―】 1.津山【黒ファルコン】 2.久【ピカチュウ】 3.透華【黄ネス】 4.京太郎【青カービィ】 桃「麻雀の上手さなんて関係ないってわかるっスね」 蒲原「ワハハむっきーの試合は画面よりもコントローラー見てる方が面白いゾ」 加治木「――で、出来るやつらからするとこの中で勝ちそうなのは誰なんだ?」 一「ピカチュウとネスの当たり判定は鬼だけど...」チラ 純「ファルコンって上手いやつが使うと更に強いんだな...」 智紀「第二回開催の時はアイツを外すべき」 加治木「……はあ」 【実況省略――結果】 1.津山【黒ファルコン―撃墜数8―】 久「いやー...強いわね」 透華「ぜんっぜん目立ちませんでしたわ」 京太郎「井の中の蛙ですね、わかります」 蒲原「じゃあ優勝者には京太郎からの熱いキッスが...」 津山「ええぇぇぇ!」 衣「なにっ!?接吻か!」 透華「衣は見ちゃいけませんわっ」 津山「――」グルグル 蒲原「ちなみに譲渡可能です」 津山「!」ハッ 津山「はいっ!」 ポス 加治木「いや...肩に手を当てられても...」チラ 京太郎「初耳もいいとこだぞ」 加治木「いやー困るな」ニヘ 加治木「じ、じゃあこの権利はポケットに...」 桃「駄目ッス!」タッチ 桃「はいっ!」 ポス 透華「ええぇ嫌ですわっ」 透華「誰か!誰か...アラっ」 一「……?」 透華「タッt......いや、出来ませんわ」 ポス 純「おい俺かよぉぉ!」 ワーワーキャーキャー 京太郎「あー学生の頃も似たような目にあったなぁ...その時はウイルス源だったけど」 まこ「ほいっ」 ポス 優希「あっ」 京太郎「おっ優希か!もう観念するんだな」 優希「旦那の欲望を受け止めるのが妻としての役目だじぇー!」 ダッ 京太郎「うわっ!?」 ドスン ちゅー 久「アラ...」 まこ「悪ふざけも大概にしぃ」笑 加治木「おっと...」 加治木「……おっと...」 桃「はい二度見しても現実は変わりませんよ先輩」ニコ 透華「あっ...」 純「バカだなアイツら」笑 智紀(リア充ノキワミアッーwww) 一「……」 京太郎「おまっちょっ」 優希「若い性を堪能したか京太郎!」 京太郎「なに笑ってんだよ俺のファーストキスかえせ!」 久「えっ」 咲「京ちゃん...」 透華「だれかー衣の耳もふさいでくださいましっ!」 加治木「おやおや...」 シーン…… 京太郎「悪かったな童貞でぇェェェうわぁあぁぁぁん!」ダダッ 桃「逃げちゃったス」 まこ「皆露骨に引きすぎじゃあ」 津山「いや、貞操観念の緩い時代に見事な男です」 純「あーもうワタシお嫁にいけないってか」 一「じゃー誰かが貰ってあげないとね」 京太郎「なんだよSEXしてる方が偉いなら誰か漢にしてくれよ...」 『京太郎』 京太郎「……」チラ 京太郎「お前か、今は放っておいてくれ。俺はあそこの大きい池に入水じさ...いや、それだけは冗談でも言っちゃいけないな」 優希「京太郎!」 京太郎「……どうしたんだやけな真剣な顔しt」 バッ 京太郎「重い重いー...んっ」 京太郎「……なに泣いてんだよ」 優希「……」ヒック 優希「泣いてなんかない、じぇ」 京太郎「なにを強がってるんだよ、泣きたいのはこっちだよ大事なファーストキスを」 優希「はじめてなんかじゃないじぇ」 京太郎「?」 優希「さっきのは京太郎のファーストキスじゃないの」 一『……』 京太郎「なんだよソレ」 京太郎「だって実際さっきのが初め...」 京太郎「……」 優希「気付いた?」 京太郎「お前はそれを知ってるんだな」 優希「……」 京太郎「そうか、付き合ってたんだもんな」 京太郎「キス以上もしたわけで...」 スッ 優希「!」 京太郎「全然ダメだな俺は、あまりにも遅すぎだ」 ギュ 京太郎「わるいな優希...」 優希「……」ヒック 京太郎「泣くなよ、悪かったってこれから思い出していけばいい」 『そんな結末こそ全然ダメだね』 ガラッ 久「あらおかえり京太郎K...」プッ まこ「いやー災難じゃったn...ダメじゃ...」プッ 久「アッハッハ京太郎さっきのは気にしないで先に進みましょうよ!」 まこ「ガハハじゃけえ童t...いやなんでもないわ」ブブッ アッハッハ!ゲラゲラ! 京太郎「最悪じゃねえか清澄...先輩達だけだぞ爆笑してんの」チラ 純「うっ」サッ 京太郎「……」チラ 鶴賀一同「……」クッ 京太郎「んだよー!笑えよ笑いたきゃ笑えばいいだろー!!!」 アーハッハゲラワラwwwww 京太郎「なんか笑い屋につられて笑う客の気分がわかるくらい見事な爆笑っぷりだ」 京太郎「んっ」チラ 一「……」 京太郎「ハジメは笑わないのか?」 一「どうして?」 一「好きな人が綺麗な身体だってわかって嬉しいくらいだよ」 ―― 今のは、聞こえたぞ この場にいる全員に。 京太郎「んっ?ああそうだな」 一「うんっ」ニコ 久「さぁておトイレはどこかしら」 まこ「連れションじゃわしもいくわ」 純「じゃあ俺が案内する」 純「ホラ透華もだ」 純「皆いくぞー」 ゾロゾロ バタン キャーキャー ――さすがに年頃の女の子なだけあって恋愛話には弱いらしい、 きっと今も何人かはドアに耳を当てて聞き耳を立てているんだろう。 京太郎「あのぅハジメさん」 一「ボクはハジメって呼んで。そう言ったはずだよ」 京太郎「ああ、ハジメ――今のは」 一「好きだよ、京太郎」 京太郎「――」 一「愛している」 京太郎「――まあ、」チラ 優希「……」 一「あれ?どうして片岡さんは残っているのかな」 京太郎「……ええと」 一「返事を聞きたいな」ニコ 京太郎「正直、さっきまでだったら嬉しかったと思う」 一「本当?」パァ 京太郎「だから――さっきm」 一「記憶を失う前の事なんて関係あるの?」 京太郎「!」 一「ただ記憶を失う前は片岡さんの方が先に出会っていた分アドバンテージがあった」 一「で、記憶を失ってからはボクとこうして遊んでくれて――事実ボクに好意を持ってくれてる」 一「今の気持ちよりも過去の方が優先なんだ」 一「さっきまでなにも思ってなかった子と、繋がりがあったと分かったら一番になっちゃう。それでハッピーエンド。そうなんだ」 京太郎(――事実すぎる) 優希「……」 一「ボクは、悲しいよ?すごく、泣きたくなる」 加治木「ちょっと待ったー!」 バタン 桃(*1) 久(*2) 透華(*3) 加治木「ここは第三者の意見が必要だと思う」 加治木「当事者達は頭に血が上って冷静な判断が出来ないと見た」 加治木「私はそう――だな、どっちもダメだ!」 純「すげえなあの女」 智紀「のぼせる皆の目を醒ました彼女がある意味一番冷静なのかもしれない」カタカタ 京太郎「今日は……」 一「一旦中止にするよ。また二人で遊びにいこうね」 京太郎「はは、」チラ 優希「……」ムー 加治木「女に脅されてるから手を出せないという理由が一番不安定でダサい」 純「はい一2.0タコス2.5~」 透華「そこっ賭けないっ!」バンッ 桃「先輩~」ヒック まこ「誰じゃ酒を持ってきたのわー!」 久「いや~良い気分ね!」ヒック 和「これはひどいですね...」 咲「みんな楽しそうだし、良いと思うな」 和「宮永さんがそう言うなら...」 智紀「就寝時間に下着写メして2ちゃんにうpしよう」カタカタ 京太郎「あーどうしようか」 加治木「決着はキチンとつけろよ」ニッ 京太郎「一人部屋は寂しいなー!」 京太郎「旅館の部屋よりも広いところで布団を敷いてねるなんて寂しいなー!」 久「隣から声が聞こえてくるんだけど...」 透華「我が家の壁を通り抜けるなんてどんな大声で愚痴ってますの?」チィッ ウッフキャハハ 久「こっちはこっちで恋バナに花が咲いてるしね」 透華「みんなお子さまですわっ」 京太郎(真剣に考えると大変な事だよな、嬉しい悩みではあるけど) 京太郎(それに、俺が命を絶った理由ってのも謎だし...恐ぇななんか) 京太郎(部屋もバカ広いし余計恐い...) 京太郎(無理言って向こうに入れてもらおうかな) 京太郎「失礼しまーす」 ガチャ 京太郎「こっちで寝させてもらえないでしょうか」 シーン イイヨ 京太郎(なんでシーンとしてるんだ、そしてなぜOKだしたヤツは声色を変えて返事をする?) 京太郎「了承を得たので入りますね...後で怒らないでくださいよ」 オコラナイヨー 京太郎(だから誰だよさっきから) 京太郎「じゃあドア側の布団に入りますよー」 ダメー 京太郎(おぅふ、今度は以外と近くから聞こえてきた...暗闇でよく見えんがコイツからは拒絶されてるのだろう) 京太郎「じゃあドコなら良いんですかー」 マドガワー マンナカー ドアマエヒダリハジー 京太郎(腹立ってきた...) 京太郎「じゃあドア前の左側に入りますよー」 京太郎「失礼しまーす」ボソ 京太郎「んしょっと」ゴソ 京太郎「少し詰めてくださいねー」 グッ 京太郎(くそ...全然動く気無いなコイツ) グッ 京太郎「ちょっと、誰かわからないですけど少し向こうに寄ってください」ボソ ???「うーん」ムニャ 京太郎(寝とるー!?) 京太郎(どうしよう、考えるんだ...そうだ少し押そう) グッ、スポ 京太郎(あぁっ手が浴衣の中に...) 京太郎(相手によってはラッキースケベで済むんだが...) ムニュ 京太郎(この弾力はあの二人のどちらでもねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!) ムニュ...ムニュ 京太郎(こっこれはー!) 京太郎(経験があるとはいえ実質童貞の俺には刺激が強すぎる!) モニュ ???「ぁん...」 ザワザワ 京太郎(うぉーい!声を出さないでくれえー!) 京太郎(だが気持ちよすぎて俺の左手が止まらない) ???「……んっ...ぁ」 ザワザワザワザワ 京太郎(駄目だ俺!抜くんだ左手を!!!) スッ ???「……スゥ」 京太郎「ふぅ……」 ???「ん……ふわ~あ」 京太郎(起きたー!) ???「むにゃ...どうして須賀がここにいるんスか?」 桃「ふにゅ...というかアタシは...たしか先輩に胸を揉まれていて...」 京太郎(寝ぼけて全部口に出してる!) クスクス コラッ、モモー 京太郎(注意してるやつはなんとなく誰かわかるな...) 京太郎(ここは危険だな...どこかに入らないと寒い) 京太郎(後は真ん中と窓側だな) 京太郎(ここは入りやすい窓側に決めた) 京太郎(桃。一応お礼は言っておく、本当ごち...ありがとうございました) 京太郎(窓側...なんか変則的な配列だな) 京太郎「失礼しまーす」 スッ 京太郎(おっ誰もいない) 京太郎(一人分開けてくれたのか...優しいなあ。明日起きたら誰誰か確認しよう) 京太郎(これで大人しく寝r) サワ... 京太郎(んっ?) サワ ツー 京太郎(誰だふくらはぎから徐々に上へ触るやつは!?) サワ... 京太郎(いやっ声が出ちゃうっ) 京太郎(……じゃねえよ、痴漢にあった女性の気持ちがわかるな、おっかねえ) モミ... 京太郎(マジで誰だコイツ尻を触るなよ) 京太郎(左側だな...) 京太郎(悪ふざけだろうし少し無反応でいたら飽きてやめるだろう) サワ サワサワ ツー... ギュッ 京太郎「ぁっ」 ザワザワ 京太郎(チィィィ!声が出てしまった...つうかモロに触りやがったぞ) 京太郎(この野郎...いや女か) スッ 京太郎(浴衣の下側に手を...直接触る気か?大胆すぎるだろコイツ...!) 京太郎(いまだっ!) ガシッ ???(あっ...) 京太郎(捕まえたぞ...引っ張って誰か確かめてやる) ズッ... 京太郎(髪の毛が見えてきた...) ズッ... 京太郎(……) ???「……スマナイ」ボソ 京太郎(なにやってるんすか加治木さん...) 加治木「いや、その、な?これくらいの事をしていれば更に仲良くなれるとだな...」ボソ 京太郎(どんな超理論だよ...) 京太郎「じゃあ、逆にこっちが触っても良いってわけですね」ボソ 京太郎(まあこれで大人しく引き下g) 加治木「……」コクン 京太郎(なぜ斜め下を向いて頬を赤らめるー!!!) 京太郎(駄目だ...結構美人だから襲ってしまいそうだ) 京太郎(ここは大人しくこちらから引き下がろう) 京太郎「もうやめにしてくださいよ...」ボソ 加治木「……いやだっ」 京太郎(くっ、この女...) 京太郎(もうキレた) 京太郎(じゃあ触りますよ...) モミッ 加治木(んっ...)ピク モミモミッ 加治木(……んっ)ピク 京太郎(声を圧し殺して我慢とはなんて嗜虐心を煽るんだ) 京太郎(ひひ...じゃあ生で) スッ 京太郎(んっ?それにしてもやけにハッキリ見えるなあ) 京太郎(!) 京太郎「あっ...」 久「電気が付いてると良く見えるでしょう?須賀くん」 京太郎「これは...誤解...」 久「……ハァ、その浴衣に突っ込んで今にも揉みしだこうとしている手はなに?」 透華「龍門渕の屋敷内でこのような下劣極まりない行為...万死に値しますわ」ワナワナ 京太郎「加治木さん!貴女からも理由を説明してくれ!事実を!」 加治木「"いいのか...?"と聞かれたので"……コクン"と応えた」 京太郎(確かに事実だけどもー!その前らへんを詳しく!) 優希「ありえないじぇ……」 一「さっきの今でこれですか、言ってくれたらボクが応えてあげるのに」 京太郎(……ハッ!この二人よりも大きな殺気が後ろに...!) 桃「……」 京太郎「いやっこれは...ちがっ」 桃「いつまで入れてるんスかー!!!早くその手を抜くっス~!!!」 京太郎「ぬわーーーーーー!!!」 こうして、俺は朝日が昇っても起きる事が出来ないほど痛めつけられた。 京太郎「……もう昼か」 京太郎「まだ満足に体が動かない...」 一「もう起きても大丈夫みたい?」 京太郎「ああ...みんなは?」 一「大浴場、そこから上がったら帰るらしいよ」 京太郎「そうか...」 一「ねえ」 京太郎「?」 一「今なら誰もいないよ」 京太郎「……駄目なヤツだ俺は」 一「?」 スッ 京太郎「やっぱりかわいい」 一「あっ当たり前だし」アタフタ 一「……ありがとう」 京太郎「今はハジメの方が好きだよ」 一「……っ」グス 優希『……』 京太郎「よいしょっ...と」 ハジメ「ボク、なーなーの関係って嫌なんだ」 京太郎「はあ」 カチ 『今はハジメの方が好きだよ』 一「録音しちゃったよ」 一「ボク的には二股でも良かったんだけどー...」 一「心変わりしてさ。こうでもしないと納得出来る状況にならないんだよね」 京太郎「……」 京太郎(まあどちらかを選ばないといけないわけだし) 一「ボクを選んだから悪役。彼女を選んだからピュアな心の持ち主――そういうわけじゃないと思うな」 一「……好き?」 京太郎(……駄目だ大好きだ) 京太郎「言う、ちゃんと告白する」 久「ふー良いお湯だったわぁ」 和「本当、旅館の温泉に引けをとらないくらいでした」 優希「……」 和「優希?」 咲「そういえば、優希ちゃんお風呂で見なかったよね」 優希「……」ダッ 優希「き、京太郎」 京太郎「引っ付くなタコス」 京太郎(なんて言えねえよ) 京太郎「お、どうした優希」 優希「あの、さっきの話...」 京太郎「聞いていたのか」 優希「……好き?」 京太郎「あ、……好き、だ」 京太郎「……けど1番じゃ、ない」 京太郎「どっちかに決めるって決めたんだ優希、お前が嫌いになったわけじゃない...」 優希「……ぁぅ」 加治木「悪者を見つける必要はない、彼女には悪いが決断をした側にも傷は残る」 和「……」 京太郎(和が泣きそうな顔で睨み付けてくる) 京太郎(それはそうだよな他人事だったら俺も男を責めると思う) 京太郎(いっそ嫌ってくれ、なんてのは優希に悪い) 優希「じゃあアタシ頑張るよ!」 京太郎「!」 優希「頑張って京太郎から手を出すような女になってやるんだから!」 優希「その時は優しく迎えてあげるから感謝するんだじぇ!」 京太郎「優希...」 この子は俺が思っているより、ずっと強かった。 京太郎「優希」 優希「駄目!もっと後!もっと魅力的になってからだ!わかったか京太郎!」 京太郎「……ああ!」 優希「いよーっし!そうと決まればのどちゃん!」 和「はい?」 優希「のどちゃんの乳を飲んでアタシもおっぱい 京太郎「はあ」 大きくするじぇー!」 和「やめてよ優希~!」 久しぶりに清澄の笑顔が戻ってきたようだった。 京太郎「おーいハジメ!」 一「あっコッチだよ京太郎!」 京太郎「いやー少し電車が遅れて...」 一「もうっ...まあ今日は記念日だから特別に許してあげるよ」 京太郎「今日?――あぁ」 あれから俺は一と付き合い出し、一年の月日がたとうとしていた。 一「もう...忘れてたの?まあ、そこがキミらしくもあるんだけどねっ」 今でも一番は一だ。そしておそらくこれからも一番なのだ、 京太郎「よし!今日は俺がキチンとエスコートしますよお姫様」 一「うんっ」 京太郎「好きだよハジメ」 一「ボクも――大好きだよ京太郎」ニコ 二人の人生はこれからも続いていく。 おわり
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357370912/ 私は暗い部屋に呼び出され一つの御遣いを賜った。 今神代家は危機に瀕している。 その解決策として私が出向く事となった。 ですが、それはあまりにも人道に悖ること。 一筋縄では済まない、罪の意識を背負って人生を歩む事を強いられる。 その中の一人として私が使者として呼ばれたのです…… 「失礼致します。」 「来たか……」 「それでご用件は……」 「姫様のことについてだが……」 「上の協議の結果、ある結論に到った。」 「五年前の時と同じ方法で祓う。」 「! ですが、既に出来る者が……」 「そうだ、今ここに出来る人物はいない、だが飽くまで『ここには』だ。」 「……あの男の息子も15になった、もう十分に大人だ。」 「本家を守る為にもあの少年の力を貸りる。」 「指し当たってお前にはあやつの説得をしてもらうぞ。」 「……何故、私なのですか。」 「六女仙の中であの少年と仲が良かったのはお前だろう。」 「姫様は動けるわけが無い上に、姫様自体この方法に反対するはずだ。」 「……あとはわかるな、霞。」 「……はい、わかりました、御爺様。」 今更どの面さげてあの子に会いに行けば良いのでしょう。 確かに私達が仲が良かったとは言え、それは飽くまで5年前迄の話。 5年前起きた出来事と私達がしてきた仕打ちのことを知れば溜息も出る。 あの子達親子が私達に抱くものを考慮して説得するのがどれだけ無理難題な事なのか。 御歴々には分からない事なのでしょう。 私とて小蒔ちゃんには死んでほしくない。 だがそのためにあの子に「小蒔ちゃんの身代わりになってくれ」とどうして言えようか。 私はやり切れない感情を捨て切れないまま、長野へ飛んだ。 ――清澄―― 京太郎「何か久し振りの部活って感じだー。」 咲「インターハイ終わってやっと帰ってきたって気分だよ。」 京太郎「部室の扉を開けてあげましょう。」 咲「うむ、苦しゅうない。」 京太郎「ようこそお姫様……あっ」 咲「誰がお姫様か、あと「あっ」てなにさ。」 京太郎「ハハハ、わりーわりー、気にすんな。」 京太郎(何か、昔の癖が出ちまったな……) ――長野―― インターホンを鳴らして家人が出てくるのを待つ。 久しぶりに会う人だが疎遠になってしまっていたので緊張する。 緊張する理由はそれだけではないのだけれど…… やがて訪問宅の扉が開き、懐かしい顔と対面する。 「はい。」 「お久しぶりです、おば様。」 「……なにしに来たの?」 おば様が私の顔を見るなり纏った空気が強張った。 明らかな怪訝な顔付きに、緊張した空気がより一層張り詰める。 「……本日はお願いにやって参りました、主におば様のご子息にですが。」 「帰って。」 おば様の表情が途端に変わり、憎悪の視線が私に刺さる。 覚悟はしていた、罵られるのも蔑まれるのも。 それでもここで引き下がるわけには行かない。 「お願いです、話だけでも……」 「帰って! 私から旦那を奪ってその上一人息子まで奪うつもり!?」 「その件に関しては申し訳ありませんでした……ですが今は事態が事態なのです。」 「ですから、何卒お力添えを……」 「帰って……帰って頂戴、これ以上私から大切なものを奪おうとしないで……」 最後にそう言ったあと、おば様は扉を閉めた。 こうなったら直接あの子の元に行くしかない。 確か清澄高校に通っているはず…… 清澄といえば私達がインターハイで対局した相手校よね。 麻雀部に顔を出して少し手を貸してもらおうかしら…… 説得に成功する可能性を考えると藁にも縋る気持ちだった。 ――清澄高校・麻雀部―― まこ「さーて、心機一転部活始めとするかのう。」 優希「うー、だるだるだじぇー……おい犬ー、ダコスーダコスをくれー……」 京太郎「お婆ちゃん、タコスはさっき食べたばかりでしょう?」 優希「はて、そうだったかのう、爺さんや。」 そんな下らないやりとりをしていると 突如部室内にノックの音が響き渡る。 扉が開き、見覚えのある一人の女性が入ってきた。 霞「こんにちは、失礼するわね。」 まこ「あんた、確か鹿児島の……」 霞「はい、永水女子の石戸霞です、今日はお願いにやってきました。」 京太郎「…………!」 咲「ひっ……」 和「? どうかしましたか? 咲さん。」 咲「……ううん、なんでもないよ、和ちゃん。」 京太郎「あ、お茶葉切れてるみたいなんで、ちょっと俺買出しに行って来ます。」 まこ「……おう、行ってきんさい。」 優希「いぬー! ついでにタコスも買って来ーい!」 咲(京ちゃん……行っちゃった……) 咲(さっき、一瞬……ほんの一瞬だけど……京ちゃんが、今まで見たことないくらい恐い顔をしてた……) まこ「で、遠路はるばる鹿児島からやってきた理由はなんじゃい?」 霞「ええ、実は人を捜しているのよ。」 石戸さんが懐から一枚の写真を出した。 そこには複数人の女の子と1人の男の子が写っている。 どこか見覚えがある面々の中で一人だけ浮いた男の子は、黒髪ではあるが、正しく京ちゃんだった。 霞「この男の子を捜しているんだけど、誰か心当たりはないかしら?」 まこ「うーん、さぁのう?」 咲「あの、石戸さん?」 霞「何かしら? もしかしてこの子に心当たりがあるのかしら?」 咲「……いえ、その……この男の子を捜し出してどうするつもりなんですか?」 霞「……御家の関係もあって詳しくは言えないけど、鹿児島に一緒に来てもらうわ。」 優希「そういや名前はなんていうんだじぇ?」 霞「名前は須賀、須賀京太郎よ。」 優希・和「「え!?」」 久「あら、うちの須賀君と同じ名前ね。」 咲「部長……どうして……」 久「今、学生議会の仕事を終えてきたばかりなのよー。」 霞「それじゃさっきの男子が京太郎君ってことなのかしら?」 まこ「……まぁ、そういうことになるのう。」 霞「……京太郎君を借りてもいいかしら? こちらとしてもそれなりに便宜は図るわ。」 久「別に構わないわよ。」 咲「部長!?」 まこ「久、お前、京太郎にも聞かずに勝手に決めおって……」 久「あら別にいいじゃない、須賀君をちょっと貸すだけなんだし。」 霞「…………」 咲「でも京ちゃんが首を縦に振らなかったら……」 久「行かせるわ、恩を売っておくことは部にとってプラスになることだしね。」 咲「でも……」 久「これは部長としての最後の仕事よ、あなた達にはこれからがあるんですもの。」 霞「……では私はこれから本人に聞いてくるわ。」 優希「……行っちゃったじょ。」 まこ「…………」 優希「染谷先輩、戸棚なんて開けてどうしたんだじぇ?」 まこ「うん? いやちょっと確認をのう。」 まこ「……なんじゃ、やっぱりお茶葉は切れておらんかったか。」 京太郎「…………」 霞「捜したわよ、久しぶりね、京太郎君。」 京太郎「……お久しぶりです、霞さん。」 霞「金髪にしたのね、最初は京太郎君だと気付けなかったわ。」 京太郎「……それで、今更俺に何のようですか?」 霞「……単刀直入に言わせてもらうわ、私と一緒に鹿児島へ来て。」 京太郎「……俺らはもうそっちとは関係ないはずでしょう?」 霞「……そうも言ってられないくらいこちらは危機的状況なの。」 霞「このままだと、神代本家……いえ、霧島全体が危ういわ。」 霞「だから貴方に、助けて欲しいの。」 京太郎「……んな……」 霞「お願い、貴方の力が必要なの。」 京太郎「ふざけんな!! そっちがしてきたこと忘れたとは言わせねぇぞ!?」 霞「…………」 京太郎「あんたらが俺の親父見殺しにして! 恐くなって俺ら一家を追出したくせに今度は助けてくれだぁ!?」 京太郎「ざけんな! 虫が良すぎんだろうが!!」 霞「そう、そうよね……今更、虫の良すぎる話よね……」 霞「でも、その狙われてるのが小蒔ちゃんだと聞いたら貴方はどうする……?」 京太郎「!……どうもしませんよ……俺は、聖人君子でも何でもないんです。」 京太郎「追出された俺たちが今更あなた方を助ける義務も義理も無い……」 霞「それともう一つ、姫様を狙っているのはおじ様を喰い殺した、あの化け物よ。」 京太郎「っ!……むかつくぜ……!」 霞「恨んでくれても、殴られても構わないわ……私たちはそれほどのことをしたもの。」 霞「それを承知の上で小蒔ちゃんを助けて欲しいの。」 霞「神職に携わる人間としてでも、分家の人間としてでもなく、小蒔ちゃんの友人として……」 京太郎「……少し時間をください。」 霞「……わかったわ、あまりに急なことだし、今後の事も含めて考える時間は必要よね……」 霞「……ちなみに部長さんには既に了承を貰っているわ。」 京太郎「……搦め手ですか、貴女らしくもない。」 霞「それほど切羽詰ってるの……」 京太郎「……あまり良い返答は期待しないで下さいよ。」 霞「……でも、それでも私は待ち続けるわ。」 霞「貴方が来るまで……小蒔ちゃんのために……」 京太郎「…………」 ――須賀家―― 京太郎「ただいま。」 京太郎母「……おかえり。」 京太郎「もしかして、霞さん、家にも来たのか?」 京太郎母「そうよ、あんたどうするつもり?」 京太郎「……わからねぇよ。」 京太郎母「私は鹿児島に戻るのは反対だからね……」 京太郎「……そんなの分かってるよ。」 京太郎母「……ごはん出来てるわよ。」 京太郎「ああ、わかった、食ったら寝るよ。」 京太郎母「……そう、それがいいわね、このことはさっさと寝て忘れちゃいなさい。」 飯を食い終わったあとベッドに横たわり、身の回りのことについて整理した。 鹿児島から昔馴染みの霞さんがやってきて、姫様が危険だからと俺を呼び戻しにきた。 部長には既に話は通っていて了承済み。 姫様を狙っている相手は俺の親父の仇。 親父は糞爺共の命令で一人で行った。 その結果、相手に手傷を負わせ、何とか一時的に祓う事は出来たが、親父はそのときに死んでいる。 お袋は先代の時の元六女仙の一人だが、祟りや須賀の力を 危険視した爺共が下したあまりの仕打ちに、俺を連れて長野に越した。 まだ中学に上がる前の俺は、何の事情も聞かされずに長野に移り住んだ事に不思議だった事を今でも覚えている。 そのあとお袋にことの成り行きを聞かされ、本家とか因習というものはあまり好きではない単語になった。 頭の中で整理してもどうすれば良いか分からず、思考はぐるぐると迷い回る。 そのうちいつの間にか俺は、目蓋の重さによって眠りに落ちていた。 『京太郎くん、遊びましょう!』 『あ、姫様、いいけどどこで遊ぶ?』 『京太郎くんのお部屋がいいです。』 『わかったよ、ちょっと散らかってるけど文句は言わないでよ。』 『文句なんて言いません!』 『それでは……』 『俺の部屋へようこそ、"お姫様"』 はっとして起きる。 幼少の頃の思い出だ。 忘れたいと思っていた過去が、思い出が追いかけてきた。 そんな錯覚すら覚える夢の内容。 "くだらない"と、"切り捨てたものだ"と、そう思っていた。 それでも過去はやってきた、過去から逃げる事は出来ず、今も「まだかまだか」と俺を執拗に付回す。 どうやっても自分が生きてきた道程は、無かった事には出来ない。 「因縁ってものは、切っても切れないものなんだな……」 「"大切な仲間や家族を護るのが使命"か……それが俺達一族なんだもんな……なぁ親父……」 多分、鹿児島に行ったら長野にはもう戻って来れない。 今の内に身の回りの整理をしておこうと思った。 京太郎「よし、これでいいか。」 京太郎母「何がいいの?」 京太郎「ああ、お袋……俺行くよ、鹿児島に。」 京太郎母「あんた最大の親不孝者だね、いやこれからなるのか。」 京太郎「悪いとは思ってるよ。」 京太郎母「思っているなら鹿児島には行くな。」 京太郎「……鹿児島に戻るのは俺個人の感情だよ、決して分家とか本家とかじゃない。」 京太郎「それに、親父の仇討ちでもあるんだ。」 京太郎母「わかったよ……あんた頑固になったね、まったく誰に似たんだか……」 京太郎「ごめん、お袋。」 京太郎母「さっさとご飯食って学校行きなさい、荷物は私が纏めといてあげるから。」 京太郎「ああ、わかったよ。」 京太郎「その前に電話掛けとく。」 京太郎「もしもし、霞さん?」 霞『はい、京太郎君ね。』 京太郎「鹿児島行きの話、受けます。」 霞『そう、受けてくれるのね。』 京太郎「ええ、学校に顔出したら直ぐに支度しますんで。」 霞『では飛行機のチケット手配しておくわ。』 京太郎「お願いします。」 霞『京太郎君……ありがとう、そしてごめんなさい。』 京太郎「俺は自分の都合で鹿児島に行くだけです、霞さんに言われたからじゃありません。」 京太郎「それでは。」 学校まで行き、職員室で担任と少しばかり話して書類に少しばかり署名をした。 放課後になり、部室に顔を出す。 部室には既に染谷先輩と部長がいた。 京太郎「こんちわー」 久「あら、こんにちは須賀君。」 京太郎「部長、鹿児島の話なんですが。」 久「ええ、石戸さんから聞いたのね、もう聞いているとは思うけど須賀君には鹿児島に出向いてもらうわ。」 京太郎「そうですか、ではこれを。」 懐から退部届けを出した。 先程書いていた書類はこれである。 まこ「なんのつもりじゃ、京太郎?」 久「……須賀君、これ、どういうことなの?」 京太郎「鹿児島に行くという事は、俺が清澄から『転校』する可能性があるってことです。」 久「ちょっと……そんな事聞いてないわよ!?」 京太郎「でしょうね、霞さんが素直に言うわけが無い。」 京太郎「霞さんなんて言ってましたか?」 久「ただ須賀君を借りたいとしか言ってないわ。」 京太郎「あの人が一言でも『返す』なんていいましたか?」 久「っ!……石戸さん……とんだ食わせ者ね……」 京太郎「まぁ、飽くまで『転校』する可能性があるだけです。」 京太郎「だから退部届けだけ部長に渡しておきます。」 久「そう、わかったわ、でも『預かる』だけよ?」 京太郎「ご自由に、それでは俺は鹿児島に向かいますんで。」 まこ「京太郎。」 京太郎「はい、なんですか?」 まこ「咲達にはもう言ったのか?」 京太郎「……大丈夫ですよ『転校』するときはちゃんと咲達には言いますから。」 京太郎「……短い間ですが今までお世話になりました。」 京太郎「さようなら。」 まこ「…………」 久「…………」 まこ「……のう、久。」 久「私のせいかしら……」 まこ「さてのう、そんなことわからんよ。」 久「はぁ……」 俺は迎えに来た母親の車に乗って空港まで向かい、霞さんと合流したあと鹿児島行きの飛行機に乗った。 霞「こんな事に巻き込んでごめんなさい。」 京太郎「いいですよ、最終的には俺が決めたことですし、それに部長達には挨拶は済ませましたから。」 霞「許されたくて言うわけじゃないけど……事が終わったら、貴方の言う事なら何だってしてあげるわ。」 京太郎「"事が終わったら"ですか、そのとき俺はどうなっているんでしょうね……」 霞「あ……ごめんなさい、無神経な発言だったわ。」 京太郎「いえ、気にしないで下さい。」 霞「…………」 それから鹿児島に着くまでは重たい沈黙の中、一切話すこともせず、本家へと歩を進める。 神代家の敷居を跨ぐなんていつ振りだろうか。 もうこの門を潜るの事なんてないと思っていたのに。 妙な郷愁感を抱きつつ敷居を跨ごうとしたら掛け声と共に俺の体へと何かが衝突してきた。 「お久しぶりです! 京太郎君!」 「うおっ!? ……お久しぶりです、姫様。」 姫様、おもちがあたってます、今まで冷静でシリアスモードの 京太郎君の京太郎君がおかしな方向に向かっちゃうので離れてください。 絶対俺のおもち好きは霞さんとお姫様のせいだ、うん、そうに違いない。 そんな誰に言ってるかもわからない言い訳をしてる最中に矢継ぎ早に声を掛けられる。 「お久しぶりなのですよー」 「久しぶり、京太郎。」 「お久しぶりです初美さん、巴さん。」 小柄な体躯でだらしなく巫女服を着ているのは薄墨初美さん。 眼鏡を掛けた赤髪の人は狩宿巴さん。 信じられない事に(主に初美さんの方だが)二人とも俺より二つ年上である。 最後の一人に黒糖を齧りながら現れる女がいた。 「ん、久しぶり。」 「おう、久しぶりだな、春。」 こいつは少し離れた親戚(と言ってもここにいる全員は漏れなく親戚なのだが)の滝見春。 一番血筋と歳が近いはずなのに何考えてるか一番分からん奴だ。 「すまないな、京太郎君……」 「おじさん……」 中年の男性が出て来て申し訳なさそうな顔をしながら俺に声を掛けてきた。 お姫様の父親だ。 京太郎「祓う側の尻拭いは任せてください。」 自分では冗談っぽく言ったつもりだが、姫様以外には苦笑い物だったらしい。 と言うより姫様以外は全員顔に暗い影を落としていた。 知らぬは当事者の姫様のみ、ってところか…… おじさんに中に入るよう促がされ、大きな屋敷の一室に通される。 二人きりになりおじさんは少し間が空いたあと、苦々しい顔をしながら口を開いた。 小蒔父「すまないね、こんな事に巻き込んでしまって。」 京太郎「……須賀家の宿命みたいなものですから。」 京太郎「逃げられるものでもないですよ。」 小蒔父「君たちがされた仕打ちを考えたらこんな事頼める立場ではないが……」 小蒔父「君に小蒔を護って貰いたい……」 京太郎「……ええ、分かっています。」 小蒔父「……私は、我が子可愛さに君に犠牲に成ってもらおうとしている。」 小蒔父「君のお父さんの件についても……」 小蒔父「私は……最低な大人だ……」 京太郎「…………」 小蒔父「それでも私は……一人の父親として小蒔には生きていて欲しい……」 京太郎「別におじさんたちに想う事が無いとは言いませんが、親父はみんなを守るために動いた。」 京太郎「それに本家とか分家とかは好きではないですけど、おじさんがやらせたわけじゃないし、姫様も関係ない。」 小蒔父「でも、それでは君の気持ちは晴れないんじゃないのかね?」 京太郎「……もし怒りをぶつけるとしたら爺共と親父の仇に対してですよ。」 京太郎「どうせ今回、俺を呼ぶように考えたのも、奥に引篭もって偉そうに踏ん反り返ってる糞爺共でしょう?」 小蒔父「気持ちはわかるが、あまりそういう言い方は感心出来ないな……」 京太郎「っと、失礼しました。」 京太郎「とりあえず、化け物退治の方法でも考えますよ。」 小蒔父「そうか、こういう知識は君たちの方があるだろうから、そこは君たちに任せるよ、必要なものがあるなら言ってくれ。」 そう言っておじさんは部屋を出て行った。 多分、俺は生きては帰って来れないかもしれない。 少なくとも、俺自身ただではすまない。 親父が手傷を負わせたとはいえ、相手はとてつもない化け物なのだ。 ものの数分も経つと、巴さんと春がおじさんに連れられてやってきた。 この狩宿家と滝見家の二人と須賀家の俺は、所謂祓う側の人間だ。 と言っても各々の家は役割が違うし、何より須賀家は代々、祓う側の中でも少々特殊なのだが…… 巴「早速だけど、京太郎君、どうやるか決まってる?」 春「やりかたによっては必要なものが変わる……」 京太郎「八つ門で奴を祓おうと考えています。」 小蒔父「八位門、あそこか……」 京太郎「内容を簡単に言うと。」 京太郎「八つ門の一つを開けておいて俺と奴が入ったら門を閉めてください。」 京太郎「そのあと、各門の周りにお酒を撒いて札を貼ってください、そこからあとは俺がやります。」 春「そんなことしたら京太郎も一緒に閉じ込められる……」 京太郎「ああ、そうだよ。」 京太郎「そのあとは内側からもお札を貼って二重に結界を張る。」 京太郎「それが須賀のやり方だ。」 それだけ言うと周りが意味を察したのか、空気が少し変わった。 小蒔父「…………」 巴「……京太郎君、何か入用な物ってある?」 春「私たちはサポートしか出来ないけど……」 京太郎「サポートだけで十分。」 京太郎「巴さん、清めの酒とお札をお願いします。」 巴「直ぐ用意するね。」 京太郎「春には仕事用の剣を頼めるか?」 春「わかった。」 小蒔父「私に出来る事はないかね?」 京太郎「……では、女物の服……白無垢がいいか、それと玉串とかを用意してもらえますか。」 小蒔父「何に使うかは知らないが揃えておこう。」 これでいいのか、これでいいんだ。 これからやる事に、皆に少しは巻き込まれて貰おう。 どうせ貧乏くじ引かされたのは俺なんだ、少しわがまま言って皆に動いてもらっても罰は当たらないだろう。 春と巴さんが戻ってきた。 どうやら明日までには用意できるらしい。 小蒔「何をしてるんですか?」 初美「あ、姫様、今の隣の部屋の会話を聞いているんですよー。」 霞「初美ちゃん……なんでそんなことしてるの……」 初美「えー、だって気になりませんかー?」 初美「私たち"降ろす側"は"祓う側"のやってる事を知らないんですよー?」 霞(そうだったわ、初美ちゃんや小蒔ちゃんは知らないのね。) 霞(私は事前に聞かされていて知っていたけれど、この二人には聞かせない方がいいんじゃないかしら……) 霞「ちょっと、盗み聞きなんて行儀が良くないわよ。」 初美「ちょっとだけですよー。」 初美「ほら、姫様も。」 小蒔「じゃ、じゃあ、ちょっとだけ、ちょっとだけですよ……」 霞「小蒔ちゃんまで……んもう!」 小蒔父「言われた物は粗方揃ったみたいだね。」 小蒔父「それで他になにかあるかい?」 京太郎「……では、準備が整ったら姫様との婚礼の儀を執り行わさせてください。」 小蒔「え!? えー!?」 霞「しっ、小蒔ちゃん、静かに。」 初美「バレちゃうですよー。」 小蒔「ごめんなさい……」 小蒔父「それで玉串や白無垢を用意させたのかね……」 小蒔父「……だが、君の年では結婚は出来ないだろうに。」 京太郎「ええ、ですから形だけで良いんです。」 京太郎「少しでも作戦を成功する確率を上げるためにも。」 初美「どういうことですかー?」ボソボソ 霞「……多分、神様の前で縁を取り持ってもらい、お酒を飲むことによって神様のお力添えをしてもらうつもりなのね。」 霞「婚礼で使う玉串も神様の依代とされているのよ。」 霞「お酒は神様との交流の手段でもあるわ、特にお神酒とかは神様の霊力が宿っているから。」 初美「あー、そういうことですかー。」 京太郎「そのあと姫様が着た白無垢を頂いてもいいですか?」 小蒔父「白無垢なんて使って何をするつもりだね?」 京太郎「相手を油断させやすくするためですよ。」 おじさんとの話が終わったところで、一度向き直り、やや大きい声を出す。 京太郎「と、言う事で良いですか? 姫様。」 小蒔「ひゃい!?」 初美「……どうやらバレてたみたいですよー。」 霞「久しぶりだったから忘れてたわ……須賀家の人はこういうのには妙に鋭いのよね……」 3人がおずおずと部屋に入って来た。 姫様が俺の顔とおじさんの顔を交互に見やり、口を開く。 小蒔「あの、あの……本当にやるんですか……?」 京太郎「形だけでいいので、付き合ってもらえませんか?」 京太郎「俺が嫌なら仕方ないですけど。」 小蒔「い、いえ、そういうことではないんですが……」 小蒔父「小蒔、精々白無垢を着て三献の儀(三々九度のお酒)をするだけだ、付き合ってあげなさい。」 小蒔「あ、は、はい、わかりました。」 おじさんが何かを思い出したように俺の傍にやってくると、軽く耳打ちした。 小蒔父「……そうだ、もし、御歴々に復讐したいと思っても意味のないことだと思うよ。」 京太郎「?……どういうことですか?」 小蒔父「人が許されざる道を選んだときは勝手に自滅の道を選ぶものなのさ。」 小蒔父「まぁその前に老い先短いのだからお迎えが来るだろうがね。」 何となくおじさんも爺共の姿勢が嫌いなのはわかった。 こっち側の人間という事がわかって少し嬉しい。 そしていよいよ、神前で婚礼の儀をしたのだが、緊張していて、あまり覚えていない。 それは小蒔ちゃんや斎主をやったおじさんも同じだったようだ。 小蒔ちゃんは巫女だし、おじさんは神主だからこういうことは慣れているはずだろうに…… 俺の記憶にあるのは三々九度のお酒を飲んだくらいか…… もうやる事はやった、これから根の国へ向かうカウントダウンが始まるだろう。 逃げられないし、逃げる気もない。 独り、昔懐かしい場所で気持ちを固めていたら、横から声を掛けられた。 霞「京太郎君、少し良いかしら。」 京太郎「構いませんよ。」 霞「……いつ、出るの?」 刺さる視線と共に、短く、そう聞かれた。 京太郎「お酒が抜けたら、着替えて八つ門へ向かいます。」 霞「そう……」 短く返され沈黙が続く。 ふとお酒を飲んでいた小蒔ちゃんが気になった。 京太郎「霞さん、お姫様はどうしていますか?」 霞「小蒔ちゃんはお酒を飲んだせいか寝ているわ。」 京太郎「そうですか。」 京太郎「……それでは霞さん、さようなら。」 霞「ええ、さようなら……」 霞「……さようなら、か。」 彼は覚悟していたのだろう、これが今生の別れになるかもしれないと。 それが自分の、延いては須賀家の歴史が終わるとわかりながら、宿命を受け入れたのだ。 霞「京太郎君はおじ様と同じ道を辿るのよね……」 小蒔「え……」 霞「!?……小蒔ちゃん……?」 小蒔「どういう……ことですか……?」 小蒔「京太郎君が須賀のおじ様と同じ道を辿るって、どういうことですか……!?」 霞「そ、それは……」 小蒔「須賀のおじ様は数年前に川の氾濫に巻き込まれて亡くなったって……」 小蒔「それでどうして……京太郎君も同じ道を……辿るんですか?」 霞「…………」 迂闊だった、聞かれてしまった。 姫様にこのことが知れたらこうなる事がわかっていたのに…… 霞「わかったわ、簡単にだけど話すから聞いてね……」 小蒔「はい……!」 もうそろそろ、支度をするとしよう。 家から持ってきた鞄から、親父の仕事着を取り出す。 下には純白の括り袴を穿き、上半身には白小袖を。 更にその上から、動きやすいように多少作り変えられた浄衣を着る。 そのあと朱色の指貫のグローブを着けて、用意してもらっていた数枚の御札と剣を携える。 あとは白無垢を被れば準備完了だ。 当の白無垢を取りに行く為、小蒔ちゃんの部屋を訪ねる事にした。 部屋の前で声を掛ける。 少しの間のあと、小蒔ちゃんの声が返ってきた。 何処か暗い声色。 戸を開けると、何故か不機嫌な顔をした小蒔ちゃんと霞さんがいた。 霞さんは俺の顔を見て立ち上がると、近くまで寄ってきて耳打ちした。 霞「ごめんなさい、成り行きとはいえ、少し、小蒔ちゃんに貴方の事を話してしまったわ。」 京太郎「……わかりました。」 そう言ったあと霞さんは部屋を出て行った。 小蒔「霞ちゃんから聞きました、京太郎君、これから危険な所へ行くんですよね……」 どうやら霞さんは小蒔ちゃんに全てを話した訳ではない様だ。 単純に妖魔退治の類だと思ってくれているのだろう。 小蒔ちゃんに咎められない事をほっとしていると小蒔ちゃんが続ける。 小蒔「白無垢がいるんですよね?」 京太郎「ええ、出来れば頂きたいのですが……」 小蒔「そこで待っていてください。」 小蒔「……はい。」 小蒔ちゃんが俺に白無垢を着せてくれた。 そして片手に何か持っていて、それを目の前に差し出してきた。 小蒔「これを、私だと思って持っていってください……」 京太郎「これは、簪?」 小蒔「これが京太郎君を護ってくれることを祈ってます。」 京太郎「櫛の原型、髪に挿すことによって魔を払う、ですか。」 京太郎「有り難く頂いていきます。」 小蒔「必ず……生きて帰ってきてください……」 京太郎「それは……」 小蒔「約束です!」 そういって小蒔ちゃんは、俺の右手を無理矢理取って、小指を絡ませた。 小蒔「ゆーびきーりげーんまーん、嘘吐いたーら針せんぼーん飲ーます、ゆびきった。」 京太郎「死人には、針は飲めませんよ……」 小蒔「京太郎君は死にません!」 京太郎「でも、もし死んだら?」 小蒔「そうしたら私が飲みます。」 京太郎「そんなことしたら姫様が死んじゃいますよ。」 小蒔「……そういう意味です。」 京太郎「俄然、死ねなくなってきましたね……」 小蒔「はい、だから生きて帰ってきてくださいね。」 きっと小蒔ちゃんは察したんだろう、今回のがどれだけ危険なのかを。 もし、祓い切れなかった時は須賀の人間がどうするか、そしてどうなるかを。 最低で道連れ。 最善で生還。 これが目標になる。 京太郎「それでは行って来ます。」 小蒔「いってらっしゃい……」 軽い別れを告げ、決戦場まで足を向ける。 八つ門に辿り着くとそこには既に春と巴さんが待機をしていた。 巴さんも春も何も言わない。 これから起こることが、これから何をするのか大体想像が付いているからだ。 声を掛けないでいるのは信頼の証と思って受け取った。 八つ門の内、一門開いているところから入る。 あとは待つだけだ。 暫くするとなにやら音が聞こえてきた。 川が流れてくるような地を這う音。 傷を負ってか隻眼ではあるが、牛など軽く一飲みしそうな巨躯の大蛇が一門から入ってきた。 その大蛇が語り掛けて来る。 《白無垢を着て花嫁の真似事か?》 《我に嫁入りとは殊勝な心掛けだな……》 大蛇がそうせせら笑う様に言うと一門が閉められた。 蛇は門のことなど意にも介さず続ける。 《だがな、臭う……臭うぞ……》 《どんなにその白装束で誤魔化しても臭う……》 《忌まわしいあの男と同じ血の臭いが!》 「なんだ、バレてたのか、小細工って案外通用しないものだな。」 白無垢を脱ぎ捨てて剣を構える。 門に貼るお札の準備も大丈夫だ。 《この眼の代償は貴様ら一族の血で償ってもらうぞ!》 この世の物とは思えないほどの巨体がうねりながら、その隻眼を以って俺へと照準を定める。 金切り声を発したと思った次の瞬間、その巨大な顎が俺を飲み込もうと大口を開け、禍々しい牙を突き立てようとしていた。 攻撃を寸での所で右へ左へ身を躱しながら門にお札を貼る。 これで第一目標はクリアだ。 大蛇はその巨大な尾を以って叩きつけようとしてくる。 なんとかフェイントを入れながら横っ飛びに転がって回避する。 当たったら堪ったものじゃないだろう、その証拠に叩きつけられた石畳の床が捲れている。 尾や噛み付きに因る攻撃を躱しながらも剣で一太刀、二太刀と切り込んでいく。 その内傷だらけになった蛇が怒号を飛ばす。 《ええい! ちょこまかと煩わしい!》 その声と共に顎と尾の同時攻撃が始まる。 同時となると躱し切れなくなって来る。 このままではいずれ手詰まりになるので、跳躍して落下する勢いで尻尾を切断した――が…… 切断したと同時に剣が折れてしまった。 どうやら硬い何かに刃が当たってしまったようだ。 「やべぇ……!」 剣が折れたことに戸惑っていると蛇の巨体が鞭のように撓り、俺の身体を叩きつける。 とっさに左手で庇ったものの、体が玩具のように吹き飛ばされてしまい、 壁に叩きつけられ、糸の切れた操り人形のように床に落ちる。 どうやら先の攻撃で身体を庇った左手が原型がわからないくらい拉げ、肋骨も何本か折れたようだ。 痛みで動けないでいると大蛇の顎が俺の身体を捕らえる。 《かかかか……どうした? 我の尻尾を切断したくらいで勝利を確信したか?》 この世の不吉全てが籠もっているような瞳で俺をニヤニヤと嘲笑するように覗いている。 《忌々しい血族の生き残りだ……このままじわじわと絞め殺してやろう!》 「ぐあああぁぁ!?」 折れた骨が顎で締め付けられる。 体が軋み、悲鳴を上げる。 《良い鳴き声だ……もっと聞かせて貰いたいな……》 「余裕かましていると……足元掬われるぜ……これでも食らいな!」 勝利を確信し、俺を嬲り殺そうとする蛇の残った片目に髪に挿していた簪を突き刺した。 《ぐおおおぉぉぉ!?》 京太郎「へへっ、目刺しになった気分はどうだ、姫様の櫛は特別効くだろう?」 残った片目を簪で潰された蛇が悲鳴を上げながらのたうつ。 折れた剣を捨て、とある神様を降ろすために目を瞑り、所謂トランス状態になるよう意識をシフトする。 祈るように神降ろしの成功を願う。 その内、どこからともなく頭の中に直接、声が聞こえてきた。 『俺を呼ぶのはお主か? 童(わっぱ)、名はなんと言う……』 「須賀京太郎と申します。」 『して、何のためにこの大蛇と戦う?』 「……可愛い女の子を助ける為というのは駄目でしょうか?」 『くくくく、そうか女子(おなご)のためか……』 『豊穣の稲田を彷彿とさせる頭髪も中々に良い……』 『何より須賀という姓……』 『……気に入った、童に力を貸してやる。』 『そこにある剣を取れ、俺が力を貸すのはこれだけだ。』 『あの蛇を屠れるかどうかはあとは童次第だ、くたばらんようにな。』 「ご助力感謝致します。」 切断した蛇の尾から覗く剣を引き抜き確かめてみる。 錆びてはいるもののやはり親父が持っていた剣だった。 俺が錆びた剣を手に取り、翳(かざ)した途端、剣が様変わりしていく。 今まで実際には見たことの無い剣だったが、どういうものかはわかっている。 京太郎「やっぱり大蛇と言えばこの剣だな……」 京太郎「拾い食いしたら腹壊すってこと、良く覚えておけ!」 京太郎「親父の剣でてめぇに引導渡してやんぜ!」 剣を逆手に取り、巨大な大蛇の脳天に刺す。 今度は剣を順手に持ち替え、引き抜き、そのまま蛇の首を落とし、致命傷を負わせた。 切り落としたあと、蛇の断末魔と恨み言が木霊する。 《ぎゃああぁぁぁぁ!!》 《おのれ……おのれぇ……忌まわしい須賀の血を絶やせなかったのが口惜しや……口惜しや……》 それだけ言って大蛇は毒々しい紫の血の泡となって消えていった…… 役目を終えた親父の剣は、元の錆びた剣に戻り、ぼろぼろに朽ち壊れてしまった。 まずい、意識が朦朧とする…… 蛇から食らった攻撃で満身創痍になっていた身体をなんとか這いずって門の外へと出る。 簪を片手に俺の意識はそこで途切れた。 春ちゃんと巴ちゃんがぼろぼろの京太郎君を担いで戻ってきた。 小蒔ちゃんは酷く狼狽している。 とにかく彼の手当てをして、床に就かせることにした。 今は小蒔ちゃんが彼の傍に付いている。 だけどそろそろ小蒔ちゃんも限界だ。 怪我を負った京太郎君よりも…… 京太郎君の看病をする小蒔ちゃんの様子が痛々しかった。 小蒔ちゃんの手は何度も身体を拭くために水に付けたせいで赤くなり、目の下には濃い隈が出来ている。 もう何日も小蒔ちゃんは寝ていない。 私が小蒔ちゃんに休むように言っても、首を頑として縦に振らない。 京太郎君から離れようとしない。 京太郎君は生きているだけでも奇跡であるくらいの傷を負っていた。 逆を言えば今は小康状態を保っているとはいえ、いつ容体が急変してもおかしくはなかった。 未だに意識を取り戻さない彼に対して、小蒔ちゃんはいつも語りかけている。 「知っていましたか? 京太郎君。」 「私、実は『姫様』って呼ばれるのは好きじゃないんです。」 「周りが私に期待してそれが重圧に感じて……」 「でも、不思議とあなたの『お姫様』は嫌いじゃありませんでした……」 「あなたの呼び方は揶揄う様で、どこか優しくて。」 「でも、どうせなら『小蒔ちゃん』って呼んでくれた方が私は嬉しいです……」 「だから早く元気になってください……」 それを聞いて胸が苦しくなる。 罪悪感が私の胸に圧し掛かる。 これが彼を巻き込んだ私への罰なのかしら…… 「小さい頃はよく皆で遊びましたね……」 「京太郎君は稽古を抜け出していたから怒られていましたけど……」 「川に行って水遊びしたときも楽しかったです……」 「うふふ、あのときは水に流されかけてびっくりしました。」 「今となっては良い思い出ですね……」 「あと、小さい頃といえば……」 そこまで言って小蒔ちゃんの言葉が詰まった。 目には滲む何かがある。 彼と話すことは子供の頃ばかり…… 「なんで……でしょう、今……あなたはここにいるのに……」 「小さい頃のことばかり思い出すのは……」 涙がぽろぽろと零れ落ちている。 やはり小蒔ちゃんも限界だったのね。 女の子を泣かせるなんて、京太郎君も酷い男だわ…… 小蒔ちゃんは涙声で彼に言葉を投げかける。 「急に遠くへ行ってしまって……」 「いきなり戻ってきて……」 「かと思ったら今度は大怪我をして戻ってきて……」 「京太郎君は勝手過ぎます……」 「もう……勝手なことしたらだめですよ……」 「勝手に逝ってしまったら、許しません……」 「絶対に許しませんから……」 小蒔ちゃんが言い終わったとき、微かに彼の眉が動いた。 「うっ……」 「!?」 「……あの神様、やる事が荒っぽいぜ……」 「京太郎君……? 京太郎君!? 京太郎君!」 「へ? 姫様?」 「良かった……意識を取り戻してくれました……」 「本当に良かったです!」 小蒔ちゃんが思わず京太郎君に抱きついていた。 これで一先ず安心できる。 「ぬわぁ!? いっだだだ!? 姫様離れて!? 俺、骨折ってるから!」 「あ、すみません、私ったら……」 「……あーその、姫様にはお世話かけましたみたいで。」 「そんなことありません……私が掛けた迷惑に比べれば……」 「姫様のおかげで、俺は帰って来れたんですよ。」 右手にずっと持っていた簪を差し出し、笑顔で応える。 「多分これがなかったら俺は帰って来れなかった。」 「簪、汚れちゃいましたし、他のを用意しないとですね……」 「怪我が治ったら新しい簪を買いに行きましょう。」 「はい! 一緒に行きましょう!」 「あ、その時はちゃんと私を守ってくださいね?」 「ええ、いいですよ。」 「なんたって俺は……」 「神代の……いや、小蒔ちゃんの守人ですから。」 【京太郎「神代の守人」~蛇殺し編~】 カン
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ステータス 保有技能 装備 アイテム フォームシフト現在格納可能な相手 ネクサスシフト効果 制約 追加能力 登録人数 ネクサスシフト時最終ステータス ヒーローシフト効果 制約 参加人数 ヒーローシフト時最終ステータス 『TTT(光)』使用時の注意 ネクサス・ジュネッスシフト効果 制約 格納時獲得補正・各固有シフト 真・ヒーローシフト効果 制約 アマートルシフト効果 制約 クライマックスシフト・アルゲントゥムノアステータス 保有技能 ステータス HP:660 ATK:35 DEF:35 保有技能 『比翼の鳥』 人一人にして人に非ず。翼片翼にて翼に非ず。 人物を指定し、己の中に格納する能力。 格納した人物に応じた能力と補正を得る。 『TTT(光)』 The Templehero T。 寺生まれのTさん。この世のありとあらゆる理不尽の天敵。 絶望を絶つ者。どこかの誰かの希望の具現。 心を照らし、絆を紡ぎ、希望を繋ぐ者。 ヒーローシフト中、MAXHPを100減少させる事で以下の能力を使用可能。 戦闘中、指定した技能を【封印】する。 都市伝説による効果を指定。指定した効果を無効化する。 自分のMAXHPの数値分、指定した人物のHPを回復する。 装備 E:『腕輪:Nexus?』【防具】 ATK補正+15 DEF補正+15 E:『真・ルーベライズ』 効果:死亡・ゲームオーバーを無効にし、所有者をHP1で復活させる。 E 『ジャイアントキリング』 効果:巨大な存在に対する戦闘論理。特定の都市伝説との戦闘時に判定値+10。 E 『死超』 効果:発動ターン、相手攻撃サイド確定時にそのターン受けるはずだったダメージに自身のATKを+し、相手のHPダメージとする。一戦闘一回 【真・ヒーローシフト中効果】 効果:発動ターンの行動判定敗北時、それを勝利扱いに。一戦闘一回 『真・オモイヤリ』【聖遺物】 ATK補正+30 DEF補正+30 ヒーローシフト中、行動判定で勝利する事で何かしらの「奇跡」を行使する。 『シュクジュ・ヘキ』【盾】 ATK補正+5 DEF補正+20 【国広一】を格納中、ターン終了時にそのターンに受けたダメージの1/4を回復する。 『カタキウチ・ツラヌキ』【遠隔武装】 ATK補正+25 【鶴田姫子】を格納中、判定コンマが75以上の時『リザベーション・バースト』を発動する。 『フクツ・ゼシキ』【靴】 自身のATK、DEFを+5、判定値を+3する。 【高鴨穏乃】を格納して経過したターン数、この補正は重ねがけされる。 『ハリコノトラ』【針】 自身のATKを0に減少させ、その減少させた分の数値をDEFに加える。 『ヒトノワ』【遠隔武装】 効果発動宣言ターン、自身のHPを1まで減少させ減少させた分の数値をATKに加える。 アイテム なし フォームシフト 指定した人物を格納し、その人物の能力と補正を得る 戦闘における京太郎の基本スタイル 現在格納可能な相手 園城寺怜 高鴨穏乃 国広一 鶴田姫子 松実宥 ネクサスシフト 現状フォームシフト対象に指定できる全員を格納し、その能力と補正を全て得る また以下の効果と制約、さらに追加効果がある。一部効果は投下時に決定された『登録人数』が影響する 効果 発動時HP全回復+自身へのマイナス効果打ち消し フォームシフト対象全員分の固有技能とステータス補正 登録人数×5のHP+補正 登録人数と同数のATK+補正 登録人数と同数のDEF+補正 登録人数一桁に応じた追加能力 初回限定、仲間全員のパワーアップ。以後強化は継続 制約 武器は選択不可。腕輪が武器扱いとなる 一ターンしか持続できない 一戦闘一回のみしか使用できない(戦闘が切り替われば再度使用できる) 追加能力 五回のみ、ネクサスシフトの維持可能時間を「一ターンのみ」から「一日」に変更できる。残り0回 登録人数 74人 ネクサスシフト時最終ステータス HP 1230 ATK 264 DEF 244 ヒーローシフト 京太郎が「寺生まれのTさん」化する 非常に強力だが使いどころが限られており、かつ非常にリスクが高い また以下の効果と制約がある。一部効果は投下時に決定された『参加人数』が影響する 効果 保有技能『TTT(光)』の能力が使用可能になる 参加人数×2のMAXHP+補正 参加人数/2のATK+補正 参加人数/2のDEF+補正 制約 既に誰かを格納した戦闘中は使用不可能 発動後、その戦闘中は比翼の鳥が使用不可となる 参加人数 126人 ヒーローシフト時最終ステータス HP 912 ATK 98 DEF 98 『TTT(光)』使用時の注意 技能を封印する場合、封印する技能の名前が判明していなければならない 『???』など名前が隠れている場合でも指定できるが、効果が薄れる可能性アリ HP回復効果を使用する場合、対象が何かしらの干渉を無効する技能を持っていないか確認する ネクサス・ジュネッスシフト 既存の五人の仲間に加え、五人の魔物を格納するネクサスシフトのバリエーション ネクサスよりも強力だがそれ以上に扱いづらく、使いどころが難しい 効果 既存のネクサスシフトの効果 五人の魔物が各固有シフトを持ち、うち任意の二つを選択して使用可能 制約 ネクサス・ジュネッスシフト解除後は『HP1』となる また、使用回数に制限がある保有技能のストックが全て0になる 既存のネクサスシフトと合わせ、一戦闘一回のみしか使用できない 格納時獲得補正・各固有シフト + 大星淡 大星淡 『ホシガミシフト』 MAXHP+500 ATK+300 DEF+300 判定値+10 + 天江衣 天江衣 『アマルコライトシフト』 HP+ATK+DEFの合計値が100以下の対象を強制的に戦闘不能にする。 自身の判定値を+20する。 + 神代小蒔 神代小蒔 『ヴァルゴシフト』 MAXHP、ATK、DEF、それぞれを+100する。自身の判定値を+15する。 戦闘時敵対する【対抗神話】以外の都市伝説一体につき一回、上記の補正を重ねがけする。 + 姉帯豊音 姉帯豊音 『ブラックシフト』 ATK+150 DEF+150 自身の判定値を+20する。 戦闘中発生した能力によるダメージを全て任意で無効化出来る。 一戦闘に一度のみ、その戦闘中に無効化したダメージ総量を指定した対象に与える事が出来る。 + 三尋木咏 三尋木咏 『クレアツィオシフト』 保有する武器を好きなだけ装備する事が出来る。 なお、その際武器の+補正は全て二倍となる。 真・ヒーローシフト 京太郎、黒、士栗の力を合わせた真のヒーローシフト。全てを対等にする最弱無敵の力。 ヒーローシフト展開中に上書きする形で使用し、使用後は特殊な戦闘処理となる。 効果 戦闘中は戦闘参加者のステータスが完全に拮抗し、ステータスが『HP ■■■』のみになる。 行動判定に勝利する度に、相手の■が一つ減る。相手の■が無くなれば勝利となる。 制約 保有技能も完全に無効化されるため、食いしばり系スキルなども無効となる。 アイテムは使用できるが、回復アイテムは回復量にかかわらず■一つ分しか回復しない。 アマートルシフト 怜と照を同時に格納するネクサス・ジュネッスシフトの派生。 相反する二人が組み合わさり、爆発的な力を生み出す。 効果 園城寺怜の補正及び保有技能を得る 宮永照が参戦可能になる + 宮永照 宮永照 MAXHP+200/毎ターンHP100回復 ATK、DEFそれぞれ+200/毎ターンそれぞれ+100 判定値補正+30/毎ターン+5 制約 5ターン経過すると宮永照の格納が解除される ネクサスシフトの派生のため武器使用不可 クライマックスシフト・アルゲントゥムノア ステータス HP:測定不能 ATK:測定不能 DEF:測定不能 保有技能 『友誼の方舟/フレンドシップ』 善。光。一人でないが故の最強。 判定値+補正測定不能。 同格の能力以外の、あらゆる概念を無視する事が出来る。 この物語の主人公。都市伝説からりつべ市の人々を守る高校生。 街を襲う都市伝説が現れる度に調査を行いその対処をすることを仕事としており、物語の中で数多くの人々を救ってきた。 人当りの良い性格と面倒見のよさからか非常に顔が広く、その交友関係は他校や警察の人間にまで及ぶ。またそれら友人知人から大きな信頼を寄せられており、彼と直接の面識がなかった者にまで知らず感謝されていたこともあった。 一人ではまともに戦うことができない彼にとってそのコミュニティの輪は唯一無二の武器であり守るべき対象でもあり、彼の心の支えでもある。 保有する都市伝説は『寺生まれのTさん』。あらゆる都市伝説の天敵であり、最強の対抗神話。 物語中盤まで自分の都市伝説を自覚しておらず、他者を格納する能力はその片鱗。第十六話にて黒フードの記憶を遡り自らの能力を自覚し、本来の能力に目覚めた。 素のステータスは贔屓目に見ても高いとは言えないが、『比翼の鳥』により指定した人物を格納することでその能力を使用することができる。言い換えれば他人を武器や防具のように装備する能力で、状況に合わせて格納する人物を変えることで様々な敵に対応できる。 ネクサスシフトは基本的に一戦闘一回のみの切り札。大きな判定値補正とATK・DEF補正、更に格納相手全員の保有技能を得られるが、逆を言えばネクサス使用ターンにすかされたり防御に回られたら折角の切り札を無駄にしてしまうことになる。地味に強力なのがHP全回復効果であり、長期戦や連戦では回復アイテム的なものとして扱ってもいいだろう。 追加能力は強力の一言。大抵の敵は圧倒できるだろうが使用回数が限られているため、地力で倒せる相手に使うべきではない。使用するのは特定のイベント戦か、もしくは探索パートで失敗するなどであまりに不利な状況に陥った時のみか。なお一日ネクサスを使用した場合、その日の間は戦闘開始毎にHPが全回復する。 またネクサスシフト時と通常時の間では、使用に制限がある保有技能の回数は共有されない。つまり擬似的に『リザベーション・バースト』や『不倒不屈』が規定回数以上使えると言うことである。 ヒーローシフトは怜たちを格納できるような戦闘では基本的に使用しない、というかできない。京太郎が一人で戦うことを強いられる場面で初めて選択肢に入る。 相手の保有技能を封印する・効果を無効化する能力はある種のバランスブレイカー。しかしその代償である最大HP減少のリスクが高すぎるため、そうそう気軽に使えるものではない。おそらく使用が許容できる回数は一~二回だろうか。使いすぎによっては詰む可能性も高い。 また、ヒーローシフト状態の時のみに発揮される『真・オモイヤリ』の追加効果がある。行動判定に勝利することでダメージ無効やATK補正など、京太郎側に有利な『奇跡』を発生させる。しかし奇跡の内容はランダムであり、必ずしもその状況で有効なものが発動するとは限らないため過信は禁物。 ネクサス・ジュネッスシフトはネクサスシフトの拡張強化版。本来のネクサスシフトの能力に加え五人の魔物(淡、衣、小蒔、豊音、咏)の各固有シフトを使用できる。ただし1ターンに使用できるシフトは二つのみ。 淡のホシガミシフトは純粋なステータス強化。高打点や防御力が欲しい場合は彼女のシフトが有用となる。ただし判定値補正は+10と他のシフトに比べ劣るので注意。 衣のアマルコライトシフトは雑魚敵を一掃することが可能な特殊な能力。一部の敵にはとても有効だが、その反面限定的過ぎるため出番は少ないだろう。 小蒔のヴァルゴシフトは淡と同じステータス強化系だが、敵の数が多ければ多いほどその力を増す。敵が複数体いる場合は彼女の出番。 豊音のブラックシフトはステータス強化に加え効果ダメージを無効することが可能。さらに戦闘中無効にしたダメージを相手に与えるという『リザベーション・バースト』と似た系統の能力を持つ。 咏のクレアツィオシフトは一言でいえば武器特化。全ての武器を装備し、その補正を倍にする。各武器の効果の恩恵を受けられ、それらを戦略に組み込むことを可能にする。 ただしジュネッスシフト解除後はHPが1となり、あらゆる保有技能のストックが強制的に0になる。そのため『確実に倒しきれる』という確信を得た時にのみこのジュネッスシフトを使用しよう。万が一倒しきれなかった場合は、ほぼ勝機は消えうせたと考えていい。
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. 華菜「これが私の可愛い妹たちだし!」 緋菜「緋菜だしっ!」 沙菜「沙菜だしっ!」 城菜「城菜だしっ!」 三つ子「よろしくだしっ!」 華菜「よく言えたなーお前たちー」ナデナデ 華菜「それじゃあ私はちょっと出かけてくるし」 三つ子「行ってらっしゃーい」 緋菜「なーなー何して遊ぶんだ?」 京太郎「じゃあ……まずは福笑いでもやるか」 沙菜「福笑い?」 京太郎「簡単に言うとだな――――」 城菜「面白かったし!」 緋菜「やるじゃないか須賀!」 京太郎「そうか?ならよかった」 城菜「次は何するんだ?」 京太郎「次は……百人一首にするか」 緋菜「ひゃくにんいっしゅ知ってるし!」 城菜「しかがおくで鳴くやつ!」 京太郎「なら早速やってみようか」 沙菜「須賀つよすぎだし!」 城菜「ズルとかしてるんじゃないのかー?」 京太郎「してないしてない」 緋菜「次の遊び!」 京太郎「そうだなーじゃあ羽根つきでもするか」 京太郎「ぬわっ!負けた!」 緋菜「3対1で勝てるわけないし!」 城菜「勝った方が負けた方の顔に落書きだし!」 沙菜「なぁ、なんて書く?」ボソボソ 緋菜「そうだな……っていうのはどうだ?」ボソボソ 城菜「それでけっていだ!」ボソボソ 京太郎「額と頬に何か書かれた……」 京太郎「罰ゲームで家に帰るまで鏡を見ちゃダメ、洗っちゃダメって」 京太郎「すれ違う人には笑われるし」 京太郎「なんて書かれてるんだ?」 華菜「へぇーそれでなんて書いたんだ?」 緋菜「ヒナは大!」 城菜「シロナはす!」 沙菜「サナはき!」 華菜「大すき、か良いこと考えるなー!」 緋菜「だろだろー!」 城菜「また、須賀遊びにくるかな?」 沙菜「くるよ!きっと」 華菜(もうすぐお兄さんになるんだぞ!っとか言ったら頭がこんがらがるんだろうな……)
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430494916/ 桃子(どうも、東横桃子っす……突然の告白ってどう思うっすか?私は……) 桃子「ウチの高校は駅から遠くて嫌になるっすねー」 桃子(バスは混んでるからむぎゅ……押し潰されるし、こんなときも影の薄さが嫌に、むぐっ) 京太郎「あの、よかったら座りますか?」 桃子(?……ご老人も妊婦さんもいないみたいですけど) 桃子「……もももも、もしかして私に言ってるっすか!?」 京太郎「?ああ、女子でこの混雑は大変でしょ?」 桃子「あ、ありがとうっす!」 桃子(この人、清澄の人っすよね!?私が普通に見えるっすか!?) 桃子「……清澄の麻雀部員さんっすよね?」 京太郎「そうですよ、鶴賀の東横桃子さんでしすよね。須賀京太郎です」 桃子(普通に会話できる!?しかも覚えられてるなんて……) 桃子「た、タメ口でいいっすよ!どうしてこっちに?」 京太郎「実は買い出しで……」 桃子(普通に会話……それに男子となんて、もしかして久しぶりどころか初めてじゃないっすか?) 桃子「あはは、面白いっすね……あ、着いたみたいっす」 京太郎「いつの間にか、なんだか時間が経つのが早く感じるな」 桃子「なんっすかそれ、おじいちゃんの台詞っすよ。本当に京太郎は面白いっすね、それじゃあ」 桃子(本当……こんなに楽しい『普通』、時間が経つの早すぎるっすよ。あーあ、メアドとか聞ければよかったっすねー……もう会えないかも、とか、思っちゃ……) 京太郎「桃子!」 桃子「え、京太郎!?ど、どうしたっすかバス降りるのここじゃ」 桃子(も、もしかして同じようにまた、話したいから連絡先とか思ってくれたり) 京太郎「好きだ!一目惚れした!俺と」 京太郎「付き合ってくれ!」 桃子「え」 桃子「……ええええええええっ!?」 3 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/05/02(土) 01 02 10.11 ID HVcox0U2O [3/11] 桃子「……ッハ!?いつの間にか自分の部屋に」 桃子(そ、そうだ少し考えさせて欲しいっすって言って連絡先だけ、交換して……) 桃子「突然の告白なんてどうしたらいいか分からないっすよー!もー!」 桃子「こういう時、どうすればいいっすか?……そもそも京太郎とは会ったばかりで」 京太郎(美化30パーセント増)『あっはっはっは、おもちおもち』 桃子「そりゃかっこいいし、話してて楽しいし……あれ?断る理由ないっすね?」 桃子「……いやいやいや!そもそも一目惚れって、私のどこが……そうだ!こんな時は友達に相談っす!」 桃子「友達いなかったっす……いや!麻雀部のみんなが私にはいるっす!」 桃子「えーと、ケータイ取りだしポパピプペっと、『私のいいところってどこっすか?』」 桃子「三通しか返ってこなかったっす……」 桃子「妹尾先輩は多分メールに気づいてないっすね……」 睦月『悩みがあるなら相談してほしい』 桃子「違うっすよ津山先輩……そうじゃな、いや、でも悩みではあるっすね」 智美『モモは麻雀が強いなー』 桃子「智美先輩、そうじゃなくてこう外見とか特徴とか……」 加治木『モモは特徴がなくとも、それを逆手にとり武器にする……言うなれば特徴のないことこそが特徴に……』 桃子「それはその通りですけど!うう、どうすれば……余計こんがらがっただけっす、いや、これは悩むだけ無駄ってこと。そもそもそんなこと京太郎にしか分からない、なら私は当たって砕けていくだけっす!いや、砕けたくはないっすね」 桃子「兎に角京太郎にメール、そうだ!デートに誘ってそこで答えを出すっす!ポパピプペっと」 桃子『今度の土曜日、駅前で待ち合わせっす!』 桃子「……よし、送ったっす。あれ?妹尾先輩から返信が」 妹尾『桃子ちゃんはふくよかで可愛いよ』 桃子「……」ふにっ 桃子「ど、土曜日まで後三日!とりあえずダイエットっす!」 桃子「グロスを塗って……アヒル口ってどうやるんっすかね?い、いや別にキスを期待してるわけじゃないっすけどね……一応!一応!あ、いいものが 」 アヒルちゃんプロペラ「」 桃子「……むー?こ、こうひゅかね?」 智美「なんでモモはアヒルとにらめっこしてるんだー?」 桃子「わっひょい!?」 桃子「ね、ネイルって……今時の女子高生ってそんなことまでやるっすか?」 ゆみ「むしろ私は今までやってなかったことに驚きだよ」 佳織「駄目だよーちゃんとしないと」 桃子「うひっ、くすぐったいっすよ!」 睦月「カラコンとマスカラ、とりあえず色々揃えてみたけど……」 桃子「ありがとうございます!」 睦月「こういうのはやり過ぎても……って行っちゃった」 桃子「よし!装備は完璧っす!あとら明日に備えて寝るだけっす」 桃子「ぜ、全然眠れない」ドキドキ 桃子(だ、大丈夫っす目覚ましも三個セットしてあるし安心して寝れる……会うだけ、会うだけでそんな緊張する意味なんて) 桃子(……可愛いって言ってくれるっすかね、みんなと相談して、多分人生で一番のオシャレっす) 桃子(だ、か、ら!寝ないといけないっす!クマだらけの顔で京太郎に会うわけには……) 桃子(もしかしたら、明日から彼氏が……できるかもしれない、本当に今までだったら考えられないこと……) 桃子(あ、あはは……もう外が明るいっす……こうなったらこのまま起きてハイテンションのまま乗りきるしか……よく、考えればその方がいいっす、素面のままあったら恥ずかしくて顔みれな) 桃子「ぐう」 桃子「……んが」 桃子「……」 桃子「……」 桃子「……」 時計『待ち合わせ十分前やな』 桃子「ね」 桃子「寝坊したぁあああああああ!?」 桃子「あ、ど、どうしよう、と、とりえず顔洗って、着替え、着替え、あ、化粧……諦めるしかないっすね……と、にかく早くしなきゃ、京太郎が……」 桃子「はぁ、はぁ……急げばバスに間に合うっすね、ちょっとマナー悪いっすけど、バスの中で髪は整えるしか……」 桃子「痛っ……あ、ああ……ヒール折れたっす……これじゃあ間に合わない……こうなったらもう片方も折るっす!えい!」 桃子「ああ、もう時間が……とりあえずバスに乗って、って、なんでこんなに混んで、むぎゅ……押さないで欲しいっす、服が、今日のために用意した綺麗な服……」 14 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/05/02(土) 02 16 35.75 ID HVcox0U2O [8/11] 京太郎「……どうしたんだろ、桃子。電話も出ねーし、なんかあったのか?」 京太郎「振られた?……いやいや!探そう、行き違いになってるかもしれないし」 京太郎「……ああ、いたいた。どうしたんだ桃子?」 京太郎(街路樹の下で、隠れるようにうずくまる桃子がそこにいた) 桃子「……今日ほど、消えたいと願った日はないっす」 京太郎「どうしたんだ?具合でも悪いのか?」 桃子「なんで怒らないっすか?遅刻したっすよ、私……遅刻して、髪もぐしゃぐしゃで、化粧もしてないし、部活のみんなで選んだ服もぐちゃぐちゃになって、背伸びして履いたヒールも折れて……」 桃子「こんな、こんなんじゃ、京太郎に会わせる顔なんて、ないっす」 桃子「私が、目立とうとしたのが間違いだったんっす、恋人なんて、誰かに、好かれるなんて、夢みたのが……」 京太郎「えーと、さ、それってつまり、いつもの桃子ってことだろ?」 桃子「……そうっすよ、いつもの、地味で、影の薄い」 京太郎「そんなことねえよ」 桃子(頭、撫でて……) 京太郎「俺は、その、なんだ、いつもの、普段の、バスで隣通し喋った桃子がとっても魅力的で、ぴかぴかして惚れたんだ。地味でもないし、影なんて薄くない、めちゃくちゃかわいい女の子だよ」 桃子(涙を流す私の顔を見て、京太郎はそう言ってくれたっす……そのとき、私が京太郎を気になっていたのは顔でも性格でもなくて……その) 京太郎「あ、また告白しちまったな……これで恥ずかしさおあいこってことでさ」 桃子(その、まっすぐに私を見てくれる眼が……) 桃子「京太郎」 京太郎「元気でたか?それじゃむぐっ!!???」 桃子「……っぷは、あ、アヒル口忘れてたっす」 京太郎「も、桃子今の……」 桃子「モモって呼ぶっすよ、だって」 桃子「恋人っすから」 京太郎「……へーへー、じゃあ買い物にでもいくか、モモ」 桃子「ってうわぁ!?お姫様だっこって……恥ずかしいっすよ……」 京太郎「お返しだ」 桃子「買い物って、どこに……」 京太郎「そうだな、服屋に化粧品……とりあえずは」 京太郎「靴屋だな」 桃子(その日、私は彼氏に買ってもらった靴を履いて帰ったっす) 桃子「と、言うわけでこれが私の告白作戦っす!同じようにすればきっとその好きな人と恋人になれるっすよ!」 咲「あーうん、もういいや、っていうか目的がなくなったというか、試合になってなかったっていうか……うぅ」 桃子「どうしたっすか?加治木先輩から恋愛相談されたときはビックリしたっすけど、大丈夫っす!他にも色々話すことはあるっすよ!」 咲「うう、部長に相談したら恋愛経験ある人紹介してくれるって言ったけどこれじゃああんまりだよ……」 桃子「代わりにと言ってはあれっすけど、ちょっと京太郎のことで聞きたいことがあって……宮永さんは幼馴染みっすから色々……」 咲「うわぁあああああん!」 カンッ!
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京太郎(蛍光灯と単三電池と……よし、これで買い出しは終わりだな) 京太郎(さっさと帰ってタコス買っていかないとまた罵詈雑言が浴びせられるんだろうなぁ) 京太郎(お、ゲームコーナーか……) 京太郎(麻雀始めてから、ゲームやってねぇなあ) 京太郎(中学の頃はあんなに夢中になってたのに……) 京太郎(ちょっと覗いて行ってみるか) 京太郎(おぉ、コレ新作出てたのか……主人公変わってね? タイ人みたいだな) 京太郎(うーん、この空気に触れてしまうと、買わずにはいられなくなってしまう……) 京太郎(ベスト版でも買ってくかな) 京太郎(アクションはハマると極めるまで抜け出せなくなるし、クリア前にブランクあけちまうとリハビリが必要だしな) 京太郎(RPGか……アドベンチャーもいいな) 京太郎(いっそギャルゲーでも……お、これなんか良さそうだな) 京太郎(『アカイイト』か……『少女の視点で体験する和風伝奇ホラー』?) 京太郎(ホラーなのか……弟切り草みたいな感じか?) 京太郎(っていうか主人公女なのか? じゃあ恋愛ものじゃないってことか) 京太郎(主人公女が女で他のキャラも女……珍しいな) 京太郎(よし、値段も手頃だし、コレにすっか) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎「なるほど……」 京太郎(田舎に住んでる人間には、別段珍しい光景じゃないな……) 京太郎(それにしても、今のところはホラー要素が見当たらないな) 京太郎(不気味な洋館が出てくるわけでもないし、何か変なものを見かけるわけでもないし……) 京太郎(もうちょっと進めないとわからんな) 京太郎「うお……吸われてる……」 京太郎(首から出血って、結構やばいんじゃね?) 京太郎(…………っていうか、なんか) 京太郎「……エロいな」ボソッ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ~次の日~ 咲「おはよう京ちゃん……なんだか眠そうだね」 京太郎「あぁ……ちょっとな……」 咲「もしかして、また朝までゲームしてたの?」 京太郎「なんでわかるんだよ……」 咲「去年までそんな感じだったし……最近はそうでもなかったけど」 咲「で、今度は何のゲームしてるの?」 京太郎「あぁ……まぁ……」 咲「……ひょっとして、エッチなやつ?」 京太郎「なっ!? ち、違うぞ!」 咲「……」ジトッ 京太郎「うっ」 咲「……ちゃんと寝ないで授業受けるんだよ」 京太郎(マズイ……今の反応は図星っぽかったか……) 京太郎(それにしても……やはりユメイさんは最高だな) 京太郎(あの包容力あるキャラ、胸も結構ありそうだし) 京太郎(……だが) 京太郎(今までのゲームのキャラに対する感じとは…………何かが違う) 京太郎(なんだろう、これは) 京太郎(なんていうか、その……何なんだろうなぁ……) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ―部室― 京太郎(面白かったんだけど、未だに消えないこのモヤモヤ感……) 京太郎(これは一体……)モンモン 和「ここのターツは愚形ですから、この場合は……」 咲「へぇ……そっか、そっちのほうが確かに確率は……」 咲「やっぱり原村さんの教え方はわかりやすいね! さすが原村さん!」 和「そ、そんな……こと///」 京太郎「……」ピク 京太郎(今の和……咲に褒められて照れてる、のか) 京太郎(そういえば今までも結構そういうことが……) 京太郎(なんていうか……なんかイイな……こういうの) 京太郎(何が、っていうのは、よく分からないけど……) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎「う、烏月さんが……そんな……」 京太郎「アカイイトって……こういう意味だったのか……」 京太郎(ええい、やり直しだ! こんな結末納得できるか!) 京太郎(待ってろよ桂! 必ず俺が幸せにしてやるからな!) 京太郎「…………ん?」 京太郎(……そうか、俺はこの主人公に自分を投影してるわけじゃないのか) 京太郎(純粋に桂とその他のキャラが関わり合っているところが見たいだけで……) 京太郎(ユメイさん単体じゃなく、ユメイさんと桂の関係が好きだったんだ……) 京太郎(いや、でもコレっておかしいか?) 京太郎(……いや、漫画でも男同士の熱い友情に感動することあるしな、うん) 京太郎(問題ない、ゲームを続行する) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎(ふふふ……ざまあみろ……主だかなんだか知らんがな……)フラフラ 咲「ねぇ京ちゃん……また徹夜したの?」 京太郎「おう……まぁな」 咲「流石に二日連続は……ちゃんと寝ないとダメだよ?」 京太郎「あぁ……とりあえずあと二人だからな……それが終われば……」 咲「え?」 京太郎「! い、いや……なんでもない……」 咲「?」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ―部室― 和「……」タン 咲「え?」 和「なんですか、咲さん?」 咲「えっと……その……」 咲「も、もうちょっとソレ持っといたほうが良かったかなぁって……」ヒソヒソ 京太郎(咲が和の耳元で……)ボケー 京太郎(構図的に、なんだか咲が和の血を吸ってるみたいに……)モンモン 京太郎(咲と……和が……) 京太郎「!?」 京太郎(お、俺は今何を……) 京太郎「うおおおおおおおおおお!!」ガンガンガンガン 久「ちょっ……何してるの須賀くん!?」 優希「気でも狂ったのか!?」 京太郎「いえ……ちょっと煩悩を……」ゼェゼェ 咲「京……ちゃん?」 京太郎「いや、大丈夫だ……」 咲「やっぱり寝不足で疲れてるんだよ……ちょっと寝てたほうがいいよ?」 まこ「寝不足?」 咲「京ちゃん、二日連続で徹夜でゲームしてて……」 和「どうしようもないですね」ハァ 久「須賀くん……今日はもういいから、とりあえずそこで寝てなさい」 京太郎「いや、でも」 まこ「また机にヘドバンされるのは迷惑じゃ」 京太郎「……はい」 京太郎(そうだよな、寝不足でおかしくなってるんだ) 京太郎(寝て起きれば、今の変な妄想も消えてる……さ) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎(結局今日も徹夜してしまった……) 京太郎(しかし、これで一応すべてのキャラのエンディングは見たわけだ) 京太郎(あとはエンディングとCGをコンプリートするだけだが……面倒だしネットで攻略情報見るか)カチカチ 京太郎「……ん?」 京太郎(アオイシロっていう続編もあるのか……) 京太郎(…………明日買いに行くか) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ~翌日~ 京太郎「なんだこれ……完璧にキスしてんじゃねぇか……」 京太郎(た、確かにそういう人がいることは知ってるが……)ドキドキ 京太郎(し、しかし一般的なゲームでこういう描写は……)ドキドキ 京太郎「……進めよう」 チュンチュン チュンチュン 京太郎「終わった……もう朝か」 京太郎(なんかコピペしたようなEDとバグっぽいのも見られたけど、よかったな、うん) 京太郎(それにしても、あのキスシーン……どういう評価されてるんだ?) 京太郎(出かける前にネットで調べてみるか……) 京太郎(えっと……ん? 『三大百合ゲー四天王はアカイイト、処女宮、あとひとつは?』って……) 京太郎「…………百合? なんだこれ?」 槓
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特別編、永水ver とある執事との交流 ハギヨシ『こうやって話すのも久しぶりですね』 京太郎『そうですね。新しい学校やらでこっちも忙しくて』 ハギヨシ『いえいえ、私の方こそ連絡ができず申し訳ない限りです。ところで、今は鹿児島でしたっけ?』 京太郎『はい。元女子校の永水にいます』 ハギヨシ『ほほう、永水ですか……去年のインターハイにお供した時に何度か見ましたが……』 京太郎『……巫女服ですね』 ハギヨシ『巫女服です。それを着ている方々も素晴らしかったです。それを機会に巫女ものが数冊増えたものです』 京太郎『分かります。それと、こっちは暑さからか薄着になるのが早くて』 ハギヨシ『いいですねぇ、こちらはまだまだ長袖の方が多いですよ』 京太郎『こっちで仕入れた素人ものでも今月は送りましょうか?』 ハギヨシ『ふむ、ではそれと水着ものを是非。そちらでなら良質のものが手に入るととある筋からの情報が』 京太郎『水着もの……確かに少し探しただけで良作が多いです。分かりました』 ハギヨシ『ではこちらは巫女ものと……そうですね、個人的なおススメをいくつかご用意しましょう』 京太郎『ええ、ではまたいつものように。品名は「参考書で」』 ハギヨシ『はい、こちらの品名は「月刊誌」でよろしくお願いします』 漢達の友情は決して途切れない こうやって月1でエロ本をまとめて貸し借りしている2人であった カンッ!!
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まとめ 設定 本編1 本編2 本編3 本編4 本編5 本編6 別ルート おまけ1 おまけ2 おまけ3 おまけ4 おまけ5 本スレ 理沙「京太郎!」プンスコ 京太郎「わかりました」
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. 京太郎「これで今日の授業終わりーっと」ノビー 咏「きょうたろー部活行こうぜー」 淡「部活行こー!」ガシッ 京太郎「ぬおっ!いきなり乗るなよ淡!」 淡「淡ちゃん専用きょーたろー号発進ー!」 京太郎「淡、かはっ、首…首」 淡「あーごめんごめん」 京太郎「げほっ、げほっ、はぁーぜぇー」 淡「大丈夫?」 京太郎「大丈夫だ」 淡「なら行こー!どひゅーんって!」 京太郎「へいへい」タッタッ 淡「きょーたろー遅いぞー」ユラユラ 京太郎「暴れるな、暴れるなって」 京太郎(背中に少しだけ当たってんだよ!) 淡「ごーごー!」 咏「………」ピキピキ 淡「きょーたろー、のーせーて!」 京太郎「ん、いいぞ」 淡「えへへ~、じゅーでんじゅーでん!」 京太郎「邪魔だけはするなよ」ナデナデ 淡「むふぅ~しょうがないな~」 照(充電……) エイスリン(ナデナデ……) エイ照(ウラヤマシイ!)(羨ましい!) 京太郎「んーっと……ここは」ズズッ 淡「こっち切っちゃおうよ!あとお茶ちょうだい!」 京太郎「はいよ」 淡「んーあったか~い」ズズッ 淡「そんでもっておいしい!」 京太郎「ん、そりゃ良かった」 郁乃(間接キスか~それはちょ~っと)ゴゴゴゴ 憩(許せへんなー)ゴゴゴゴ 京太郎「!?」 淡「ん?どうかした?」 京太郎「い、いやーなんでもないぞーあはは」 淡「へんなきょーたろー」モフモフ 五人「ぐぬぬぬぬ」 エイスリン「タイサクカイギ!」 咏「たっく、淡はやっぱり許してらんないよねぃ」 エイスリン「ゼッタイニユルサナイ!」 憩「せやせや、あんなうらや……こほん、真面目にやってほしいですーぅ」 照「郁乃、今どんな感じ?」 郁乃「京太郎くんはず~っと淡ちゃんの頭なでてるで、淡ちゃんは京太郎くんに抱きついて寝とるよ~」 エイスリン「アノドロボウネコ!」 憩「どこでそんな言葉覚えたんや……って何観てはるんですか?」 郁乃「京太郎くんと淡ちゃんの部屋の映像やで~」 咏「いつの間にそんなもん……」 霞「あらあら、みんなして何やってるの?」 エイスリン「テンチュウ!」 照「淡を排除する」 咏「どうやったら淡を消せるかな~ってねぃ」 霞「やたら物騒なのは気のせいかしら……」 郁乃「でもいくら何でもやりすぎやで~、朝も昼も夜も食べさせ合いっこ、一緒にいるときは大抵おんぶか手ぇ繋いで」 照「部活中もあんなに好き放題にやって」 エイスリン「コレデイカレズニイラレルダロウカ!イイヤイレマイ!」 霞「まあ、でもあの子たちは姉弟だからしょうがないんじゃないの?」 咏「しょうがなくなんかねぇだろ、京太郎は淡だけのもんじゃねーっての…………って」 「姉弟!?」 霞「そうよ、京太郎くんの生き別れの双子のお姉さんが淡ちゃんなんですって」 郁乃「せやな~確かに二人とも金髪やし~……ってんなわけあるかい!」 照「そんな話聞いたことない」 エイスリン「パツキンナラ!ワタシガアネノカノウセイモビリューシレベルデソンザイスル?」 憩「せやから部屋も同じだったん?」 霞「そう、淡ちゃんがここに越してくるときに京太郎くんがね」 京太郎『淡にはこのこと黙っておいてください!』 霞「ってね、淡ちゃんも淡ちゃんで」 淡『きょーたろーには秘密だからね!』 霞「って、二人とも好き合ってるのに距離をはかりかねてるのよ」 霞「京太郎くんは」 京太郎『淡はああ見えてよく物事考えてるんです、俺と姉弟なんてわかったら、きっと距離をあけようとする』 京太郎『だから、伝えられなくって、伝えたくないんです』 霞「淡ちゃんの方は」 淡『きょーたろーに姉弟だって言ったら結婚してもらえないし付き合ってすらもらえなくなる!』 淡『わたしはそんなのイヤ!』 霞「って、いいすれ違いよね、見てるこっちが恥ずかしいわ」ウフフ エイスリン「カンショウニヒタッテンジャネエヨババア」 照「姉弟の絆なんて引き裂いてナンボ」 憩「二人とも言葉悪ぅない?」 咏「あーあ、まっ、潔く諦めるとすっかねぃ」 郁乃「せやね~しゃあないわ~」 淡「きょーたろー!どの服がいい?」 京太郎「こっちでいいんじゃないか?」 淡「えーこっちの方が可愛いよー」 京太郎「なら聞くな」ペシッ 淡「あうっ」 淡「きょーたろー!食べさせてー!」 京太郎「はいよ、あーん」 淡「んふふ、おいしっ!」 京太郎「そっか、そりゃよかった」ナデナデ 淡「うんっ!」 淡「きょーたろー!なでなでしてー!」 京太郎「よしよし」 淡「えへへ、きょーたろー」 京太郎「なんだ?」 淡「きょーたろーは、私のこと、好き?」 淡「私はねー、きょーたろーが大好きっ!」ニパッ 淡「……すぅ……ぅ」ギュゥ 京太郎「…………」ナデナデ 京太郎「姉さん……か」 京太郎「好きだよ、淡」ギュッ 淡「ぁぅ…………ぇへへ」
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特別編 本編とは完全に別の世界での下ネタ、というかエロ日記2 どことは言いませんが、某所で本編が終わった記念に書きました ※京太郎以外みんな下ネタエロボケ連発します。パロとかパクなんとか、その辺りです ※キャラ崩壊ってレベルじゃねーぞ、な内容なのでそういうのがNGな人は数レスほどスルーでお願いします ※この特別編に限っては、苦情、文句等は『一切受け付けません』。ヤられたら倍返しって言ってたドラマがありましたね ※ここまですべて許容できる人のみ、続きをどうぞ 京太郎「ふぅ、掃除はこれくらいで」バサッ 京太郎「っと、やべ。書類とかノート落としちまったな」パラッ 京太郎「ん?このルーズリーフは……」ペラッ 清澄高校麻雀部 女子日誌 ×月○日 「という訳で、これから女の子だけで書いていくわよー」 「女子だけか?京太郎は抜きで?」 「須賀君から抜く……いいですね」 「5人で抜くのかー、豪華だじぇ」 「5対1……多人数プレイですね!」 「まぁ男の子がいたら話しにくいこともあるし?こういう形で発散しましょうってことよ」 「あー、女子には普通だけど男子にはきついって下ネタあるしなー」 「生理中の話などでしょうか。確かに生理中のプレイは人を選びそうですが、私は望まれるなら……」 「私はちょっと嫌だじぇ。身体はちっこいけど結構重くて」 「もっと話したいけど、京ちゃんあんまりやりすぎると突っ込まないで耳塞ぐからなー」 「それじゃ、これからどんどん書いていきましょ。いつか須賀くんに見せると考えれば、興奮するようなやつを!」 「「「「おー!!!」」」」 京太郎「…………なんだこれ」 京太郎「5人で何やってんだ……読まない方がいいか?」 京太郎「……でもこういうのはついつい手が動いちまうんだよなー」ペラ 清澄高校麻雀部 女子日誌 ×月△日 「須賀くんが胸で反応しません」 「京ちゃんは首筋だよ」 「結構マニアックね」 「何かきっかけでもあるんじゃろか?」 「今度、全員で首筋を見せるじぇ!」 「いいわねー。元からショートの娘達も、髪を上げたりで出来なくは無いわよね?」 「全員で京ちゃんを誘惑ですね!」 「いいですね。当日は下着無しでいきましょう」 「のどちゃん、今も無いだろ?」 「そもそも今日下着穿いてる奴おるんか?」 「「「「…………」」」」 「で、決行は土曜でいいわね?」 「異議なしです」 京太郎「……結構早くからばれてたか」 京太郎「前に示し合わせたように全員がポニテだったり、髪を上げてたりしたのはこういうことか……」 清澄高校麻雀部 女子日誌 △月□日 「最近須賀くんがいないとつまらないわよね」 「確かにな、今や普通にボケてもつまらん」 「あのツッコミがいいんですよね。こう、たまに激しくされるのがまた……」 「咲ちゃんは昔からあれを受けてたのか。羨ましいじぇ」 「うん。でも私は最近の方がいいかな」 「あら、つまり1人じゃつまらない?何、多人数の方が好み?」 「まとめたりした投げやりな扱いは……あ、想像したら濡れてきます」 「ううん、突っ込まれるのもいいけど、最近はいろんな人と打つのも楽しくて」 「ふふふ……またいじめ甲斐がある人と打てないかな♪」 「咲のSっ気はまだまだ加速するみたいね」 「はい!この犬めをもっといじめてください!!」 「じゃー、明日は京ちゃんからのツッコミ無しとか?」 「そ、そんな!放置プレイなんて……いいですね!!」 「守備範囲広いのー」 京太郎「……ツッコミってなんだろう」 京太郎「やめた方がいいのか?いやでもそれだと……」 京太郎「くそ、どっちに転がってもこいつらの思い通りかよ」 清澄高校麻雀部 女子日誌 ☆月◇日 「前から思っとったが、これに京太郎のことばっかり書いとらんか?」 「確かに……女子だけの話のはずなのに京太郎のことばっかりだじぇ」 「言われてみれば……最近須賀くんがいないとついつい須賀くんのことばっかり書いちゃうわね」 「須賀くんがいないと寂しいということでしょうか……」 「つまり……京ちゃんは私達にとって……」 「「「「「ご主人様?」」」」」 「……メイド服着てからの主従プレイならまかしとけ」 「よーし、私はタコスをSっ気たっぷりに食べさせてもらう流れからで!」 「じゃあ私は年下に調教されちゃうかー」 「ご主人様のためでしたら私はなんだってやります。命令とあればいつどこでどのようなプレイでも!」 「幼馴染はご主人様……Mになるのもいいかもなぁ……」 京太郎「……やべー、期待とかしてなかったけど予想以上にマジやべー」 京太郎「なんて方向で狙われてんの?……これマジで迫られたら逃げれるか俺?」 清澄高校麻雀部 女子日誌 ?月?日 「もし、これを京ちゃんに見られたらどうするんですか?」 「隠してるものを暴かれるのは興奮しますね」 「京太郎が乙女の秘密を覗き見か……ありだじぇ」 「脱がされるって焦らされるみたいでいいんじゃよな」 「そうねー……須賀くんが隠してるものをこっそり見たりするような人じゃないとは思うけど……その時は」 「その時は?」 「逆に須賀くんを調教しましょうか」 「縛るんですか?縛られるんですか?」 「拘束してタコスを口移しとか?」 「メイド服フリーサイズの用意はできとるぞ?」 「そんな……京ちゃん相手なんて……楽しみすぎて我慢できなくなるよぉ……」 「いい案がいっぱいねぇ」 「ね、須賀くん」 「見 た わ ね ?」 京太郎「うおっ!?」 京太郎「び、びっくりするなぁ……いきなり赤文字で丸々1ページ使うから……」 久「ちなみにその赤、破瓜った時の血なんだけどね?」 京太郎「ここまで血出てたらこんなん書いてる場合じゃねーよ!!」 京太郎「……あ」 和「ふふふ」 優希「にっ」 まこ「くくく」 咲「あは」 久「ねぇ、す・が・く・ん?」 京太郎「…………」 京太郎「いやこの最終ページ相当前に書いてたやつでしょう?ルーズリーフだからページのよれ具合とか、書いてるペンのインクとかで色々違いが分かりますよ?」 久「そ、そそそそんなことあるわけないじゃない?」 京太郎「嘘へったくそですね!」 咲「ちぇー。恐怖で震える京ちゃんが見たくて頑張って考えたのに」 京太郎「これ考えたのお前!?結構ホラーだったんだけど!?」 まこ「このためだけにルーズリーフにしたのに、暴くのが早すぎじゃ。せめてもっと溜めがいるじゃろ」 京太郎「なんで俺が駄目出しくらってるですか?」 優希「しかーし、乙女の秘密を覗き見たのは事実だじぇ!」 京太郎「内容いつもの会話と大して変わんなかったじゃねぇか」 和「乙女5人分の秘密は重いのです。という訳で須賀くん」 和「須賀くんの処女で勘弁してあげます」ヴィィィィィィ 京太郎「待て、それは女子でも男子でも簡単にあげたりしちゃダメなものだからな!つーか太っ!!しまえそんなもん!!」 和「私としては須賀くんのがこれくらいだと少々困ってしまうのですが……拡張からですね」キリッ 京太郎「キリッとした顔でとんでもないこと言うのやめなさい!」 咲「えー、じゃあ京ちゃん何するのー」 久「ほらー、脱ぎなさいよー」 優希「脱ーげ!」 まこ「脱ーげ!」 京太郎「何もしないから!唐突に脱衣を希望しない!!」 京太郎「大体、前に俺の日記見たじゃないですか。それも有耶無耶になってたし、これでイーブンでいいでしょう」 久「そうね……確かにみんなで勝手に日記を見たのは悪かったわね」 京太郎「そういう訳で…」 久「分かったわ。じゃあここはひとつ、お互いの初めての交換ってことで」シュルッ 京太郎「何も分かってなかった!!」 まこ「あ、ちょっとメイド服に着替えるから待っとってくれんか?半脱ぎでな?」ゴソゴソ 京太郎「今必要なのはそういう理解じゃないから!!」 和「初めてで6P……思い出深い初体験になりそうですね」ニコッ 京太郎「そんなセリフでいい笑顔しない!」 優希「でもこれじゃ京太郎の初めてもらえるのは1人だけだじぇー?処女捧げるだけかー?」 咲「1人は和ちゃんが持ってきたやつでヤるとして……3人はどうしよっか」ヴィィィィィィ 京太郎「それだけはやめろぉ!!」 咲「そんな……私は京ちゃんに(ツッコミ)処女捧げたのに……」 京太郎「おい、言葉足りねーぞ」 久「『それだけはやめろ』、つまり?」 まこ「それ以外はアリじゃな?」 和「やっと、覚悟を決めてくれたんですね」 優希「もうこの際処女捧げるだけでもいいじぇー」 咲「そうだね、それじゃあ京ちゃん、誰からにする?」 京太郎「誰もしねーよ!!だから脱ぎだすな!!半脱ぎもメイドも駄目!!」 咲「首筋は?」 京太郎「……アウト!!」 久「……みんなー、各自ポニテ、もしくはアップにしなさい」 まこ「あいよー」 和「ふふふっ、これに須賀くんは弱いんですよね?」 優希「私のがどうかは知らないが……実はこっそり気を遣うようになってな……」 咲「さぁ、京ちゃん」 咲「みんなで、楽しもっか?」 京太郎「あ……ちょ、待……待てぇぇぇぇ!!」 ※この後何とか逃げ切った カンッ!!